IntelのMeteor Lakeと言うと、Alder Lake-Sから次の次の世代に当たる第14世代CPUですが、Moore’s Law is DeadのリークによるとこのMeteor Lakeには機械学習用の専用アクセラレーターが搭載されるとの事です。
AppleのNeural Engine的な機能がIntel CPUにも搭載へ
Apple製の製品の多くにはCPU内にNeural Engineと呼ばれる機械学習用アクセラレーターが搭載されており、身近な所ではiPhoneのカメラ機能の一つとして、被写体とその背景を区別し、レンズによるボケを再現するポートレートモードなどがあります。そんなNeural Engineですが、Alder Lake-Sの次の次に登場する予定の第14世代 CPUであるMeteor LakeにてNeural Engineに似たような機械学習用アクセラレーターが搭載されるという情報がテック系リークなどを取り扱うYoutuber、Moore’s Law is Deadより出現しました。
Intelが2016年に買収したMovidiusがヒント。Vision Processing Unitを搭載か
Moore’s Law is Deadによると、信頼できる2つのソースよりRoyal Coreに関する情報を入手した際に、Vision Processing Unit(VPU)と呼ばれる機械学習用アクセラレーターが将来出現するCPUであるMeteor Lakeに搭載されるという情報を得ていたとの事です。
Intel Core以来の大幅進化”Royal Core”の情報出現。2024年以降に登場 (gazlog.com)
Meteor LakeについてはRaptor Lakeの次に登場するCPUであり、Raptor Coreの時点で最上位モデルのCPUではP-Core 8コア、E-Core 16コアの計24コアが搭載されると見られており、これ以上コンシューマー向けCPUにコア数を追加してもあまり大きな利点は無いと見られています。
Appleなどが開発するM1ではコア数を増やすよりは、空いたスペースにNeural Engineなどアクセラレーターを搭載する方向に動いており、AMDもVan GoghやZen 3+アーキテクチャーを採用するRembrandtでも『CVML(Computer Vision Machine Learning)』と呼ばれる機械学習用アクセラレーターが搭載されると見られています。
このようなトレンドに追従すべく、IntelもVPUをCPUへ内蔵する方向へ動いているようです。なお、このVPUについては、Intelは既に2016年にMovidiusと呼ばれる機械学習用チップを手掛けるベンチャー企業を買収しており着実に準備は進めていたようです。
VPUがCPUに付くと何が起きるのかはまだ不明。でも普及はするはず。
AppleのNeural EngineについてはiPhoneでは、カメラの画質を向上させたり、リアルタイムで音声を翻訳したり、カメラで撮影した動きを基にスポーツのコーチングをしたりとユーザーがNeural Engineの恩恵を受けられる活用法が生み出されています。しかし、ラップトップやデスクトップではイマイチ活用法が生み出されておらず、Reddit上では「Neural Engineは何に使われているの?」と言うスレッドが立ち、「M1からNeural Engineを外してGPUかCPUのコア数を増やして欲しい」と言うコメントまで出てしまっています。
What is the Neural Engine in M1 normally used for? : mac (reddit.com)
ただ、Moore’s Law is Deadが信頼しているソース(Intel関係者)によると、このVPUを活用する事で小規模なデベロッパーでも少ない労力で大手企業が作成するような機能を実現する事が可能になるため様々な使い方が近い内に提案されていくはず。と述べているとの事。
実際にiPhoneでカメラで植物や動物を映すだけで種類を識別したり、カメラで撮影した動きを基にスポーツのコーチングするアプリは小規模な企業が作成したアプリであるためこの発言は間違いでは無さそうです。また、M1 Mac向けのアプリでも徐々にNeural Engineを活用したアプリも出始めていますので徐々に普及していくものと考えられます。
Apple M1チップのNeural Engineを利用し、iOS版Among UsをMacのキーボードで操作できるようにしてくれるユーティリティ「AmongKey」がリリース。
機械学習用のアクセラレーターを活用するにはソフトウェア側の対応が必須となりそうですが、Intel関係者が言うように小規模なデベロッパーでも様々な事を簡単に実現できるようになれば、徐々にNeural Engineなど機械学習アクセラレーターの恩恵を受けられるソフトが充実し、やがて機械学習アクセラレーターの性能がCPUを選ぶ一つのポイントになるかもしれません。
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