Intelの超低消費電力CPU『Lunar Lake-MX』の詳細が判明。最先端AI用ユニットやBattlemage GPUなどを搭載
Intelでは2023年にMeteor LakeをノートPC向けに投入しますが、この次世代CPUとして2024年頃にはArrow LakeとLunar Lakeの2つのCPUの投入が計画されています。
今までIntelではAlder Lake以降は1つのアーキテクチャーでデスクトップ向けからノートPCまでカバーしていましたが、2024年以降はデスクトップおよび高性能ノートPC向けCPUとノートPC向けCPUにアーキテクチャーが分けられる予定となっています。今回はこの中であまり情報が明らかにされていなかったLunar Lakeの詳細仕様が判明しました。
この情報は、YuuKi_AnSによってリークされた後、のちに削除されたIntelの公式スライドを基にしています。オリジナルのリーク自体は削除されていますが、AnandtechフォーラムのメンバーであるGeddagodがこれらを入手し、次世代低消費電力アーキテクチャがどのようになるかを示しています。
Lunar Lakeでは最大4P+4E構成のCPUになる見込みで、P-Core側にはLion Cove、E-CoreにはSkymontアーキテクチャーを内蔵するCPUになっています。
内蔵されるGPUについてはBattlemageアーキテクチャーであるXe2-LPGグラフィックスを搭載する初めてのCPUになっています。このGPU搭載により、DisplayPort 1.4の他にHDMI 2.1などの規格に対応すると共にAIを使ったスケーリング技術やハードウェアベースのVVC/H.266デコードにも対応しています。
Windows 12搭載のCoPilotには高度なAIハードウェアが必須に。既存のノートPCはほぼ全滅?
また、このLunar Lake-MXで最大の注目点は生成AIへの対応するVPUの存在です。このLunar Lakeでは最先端のAIアクセラレータであるNPU 4.0を内蔵し、ノートPCに適用するため非常に低い消費電力でありながらStableDiffusionやそのほかの生成AI用途において高いパフォーマンスを発揮すると見られています。また、これらはWindows 12で搭載が噂されているCoPilot機能を快適に動作させることが可能になると考えられます。
このLunar LakeについてはCore 7およびCore 5ラインアップとして登場する見込みで、消費電力は8Wから最大30Wまでと幅広いノートPCをサポートする規格になっています。
対応メモリーについてはLunar Lake-MXではApple MシリーズSoCの様にCPUとメモリーが組み込まれた構造を採用するようで、LPDDR5x-8533と言う非常に高速なメモリーが採用される見込みで16GBか32GB構成が計画されています。このメモリーの高速化はCPUパフォーマンスの他に、メモリーを共有するグラフィックスやAI用途においても高いパフォーマンスが期待できます。一方で、メモリーが組み込まれるためメモリー増設など拡張性は皆無になります。
このほかの仕様についても明らかにされており、インターフェイスとしてPCIe Gen 5 x 4とGen 4 x 4の他に、Thunderbotl 4への対応と最大3つのUSB4接続へ対応します。また、Wi-Fi 7とBluetooth 5.4に対応しています。
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