iPhone 15 Proにベイパーチェンバーを搭載するツワモノ現る。性能は21%向上、温度は10%低減。
iPhone 15 ProシリーズについてはTSMC 3nmで製造された強力なSoC、Apple A17 Proを搭載することでスマートフォンでありながらレイトレーシング対応のゲームがプレイできるなど高い性能を有しています。しかし、その背反として発熱が大きく本体温度が高くなると共にゲームを長時間プレイするとサーマルスロットリングが発生する事が発売後に発覚し話題となりました。このサーマルスロットリングについてはApple A17 Proの発熱が大きい事も原因なのですが、iPhone 15 Pro自体の冷却性能が乏しく競合のAndroidスマートフォンがベイパーチェンバーを搭載する中で冷却機構が何も備えられていない事が問題視されていますが、中国のBilibiliで活動するクリエイターがiPhone 15 Proにベイパーチェンバーを無理やり搭載する魔改造を実施し、どれだけ性能が向上するのかテストをしています。
A17狂堆散热后有多强?iPhone15Pro全球首改!_哔哩哔哩_bilibili
この魔改造はiPhone 15 Proに行われており、バッテリーとロジックボードの上にサーマルグリスを塗りたくりその上にベイパーチェンバーが載せられています。また、本体裏面に搭載されているワイアレス充電用パッドは取り除かれている他、ディスプレイ側にも薄い銅板を挟むなど徹底的に冷却性能を向上させる改造が施されています。
大量の銅を使用するなど結果的に本体の重量はオリジナルのiPhone 15 Proの187gから26%の重量増となる236gとなり、iPhone 15 Pro Maxをも上回る重さになってしまっています。
ただし、この魔改造の効果は非常に大きく、Antutuベンチマークにおいては合計スコアは改造前に比べて9.2%向上し、内訳を見て見ると特にGPUスコアについては22%もの性能向上が記録されています。
また、レイトレーシングベンチマークである3DMark Solar Bayのストレステストでも14%の性能向上が確認されており、挙動を見ても改造前は時間が経つにつれてサーマルスロットリングの影響が顕著に表れていたものが、改造後は時間経過とともに性能が落ちる事が無くなっています。
発売してすぐにiPhone 15 Proで原神を長時間プレイするとサーマルスロットリングでフレームレートが落ちると言う話もありましたが、改造前では原神は1時間のプレイにおいて平均51.2FPSが記録されていました。しかし、改造後は59.6FPSと16.4%の性能向上が見られるなどゲームプレイに置いても絶大な効果を発揮している様子です。
本体温度についても明確な変化があったようで、改造前に比べると本体表面温度は改造前に比べて10%程度低下したとの事です。
ベイパーチェンバーについては高い効果が期待でき、iPhone 15 Proも仮に搭載されていれば更に高いパフォーマンスを発揮する事ができると言えます。ただ、背反として重量が非常に重くなる事が今回の魔改造でも明らかになっている他、コストも相応に嵩むためiPhone 16 Proなどに搭載される可能性は低いのでは無いかと考えられます。
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