2021年1月開催予定のCES 2021にて発表予定のIntel第11世代デスクトップ向けCPUですが、Core i9-11900、Core i7-11700KのCPU-Z情報とCore i9-11900KのQS品を使ったベンチマーク結果が出現しました。
Core i9とCore i7の一部モデルに関する情報が続々登場
中国の掲示板Bilibiliにて『Rocket Lake-S』のES品を闇市場で手に入れた人から詳細スペックについて掲載されました。今回、出現したものはES2*と呼ばれるものでより最終製品に近いものになっています。
また、Core i9-11900KについてはQS**でCPU-ZやCinebench R23のベンチマークを実施した結果がChiphellに掲載されています。
*ESとはEngineering Sampleの略で、パソコンメーカーやマザーボードメーカーに提供される試作品です。Intelでは一般的には初期段階のES1、中期のES2、最終サンプルのQSの3段階に分かれています。
**QSとはQualification Sampleの略。最終サンプル品で問題が無ければそのままの仕様で量産へ移行します。
Core i9-11900
Core i9-11900ではオーバークロック機能は削られたモデルになります。ベースクロックは1.8GHz、1コア時のブーストは最大4.5GHzで全コアは4.0GHzになるとの事です。掲示板に掲載された画像に記載がある通り、TDPではPL1は65Wと低めですがPL2では224WとCore i9-11900Kとほとんど変わらないTDPになっています。なお、掲示板に書かれた情報によると性能面では5.0~5.1GHz程度まで動作するCore i9-9900KやCore i7-10700Kと性能的にほぼ同等との事です。
Core i7-11700K
Core i7-11700Kでは、ベースクロックが3.40GHz、1コア時のブーストは最大4.80GHzで全コアは4.30GHzになるとの事です。今回、掲載されているもの以外のサンプル品でブーストクロックが5.0GHzまで動作しているものがあるとの事です。消費電力面ではTDPはPL1が125W、PL2が250Wまで消費電力が上がります。また、平均消費電力は向上出荷状態で約160Wとの事です。
Core i9-11900K(QS品)ベンチマーク情報
ES品のリークと共に、Chiphellの掲示板ではCore i9-11900KのQS品を使ってベンチマークを取った結果が掲載されています。
To bring that Rocket Lake performance a little bit in context:
Core i9-10900K (CML)
588 — CPU-Z ST
534 — CB20 ST
~1340 — CB23 STRyzen 7 5800X (Zen3)
663 — CPU-Z ST
626 — CB20 ST
1596 — CB23 ST— 3DCenter.org (@3DCenter_org) December 26, 2020
スコアはすべてシングルコア性能の計測のみ行われていますが、Core i9-11900KはCinebench R20のスコアは660ptと、Ryzen 7 5800Xの626ptを5%程度上回っています。また、Core i9-10900Kと比べると約24%上回っているためアーキテクチャ刷新による効果が大きく表れています。
『Rocket Lake-S』は『Comet Lake-S』に対して全体的に動作クロックが低くなっている事が今回のCPU-Zのデータから見て取れます。しかし、ベンチマーク結果を見る限り、動作クロック低下による性能低下分はアーキテクチャの刷新で跳ね返しており、シングルコア性能はRyzen 7 5800Xをも超えています。
そのため、シングルコア性能が重要なゲーミングPCなどの分野ではIntelかAMDかの選択肢が生まれると同時に、Intelとしては勢いを盛り返すキッカケが出来そうです。ただし、マルチコア性能などはCore i9-11900Kの8コア16スレッドが最大となっています。そのため、動画編集などマルチコア性能含めて高い性能を求める人にとってはAMDのRyzen 9 5900X以上しか選択肢が無い状態は続きます。
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