Intelでは2022年秋以降にデスクトップ向けに第13世代CPUであるRaptor Lake-Sを投入予定ですが、このCPUではブースト時の最大動作クロックが6 GHzに達する可能性があり、それを実現するために新たにEfficient Thermal Velocity Boost(ETVB)と呼ばれる新機能が採用されるようです。
2022年秋以降に登場予定のRaptor Lake-S
Intelでは2022年秋頃を目途に第13世代CPUであるRaptor Lake-Sを発売予定です。この製品は同時期にAMDから登場予定のZen 4アーキテクチャー搭載のRyzen 70000シリーズに対抗を目的に性能面ではL2キャッシュの大容量化や動作クロックの向上などが予定されています。
今回、そんなRaptor Lake-Sについて動作クロックがブースト時に最大6GHzに達する可能性がある他、この6 GHzを実現するためにIntelのオーバークロック支援ソフトExtreme Tuning UtilityにてEfficient Thermal Velocity Boostと呼ばれる新機能が追加されたようです。
動作クロックが大幅向上で6 GHzの壁を破る?
🥵6 GHz turbo MAYBE will appear in one SKU. (in ETVB mode)🤣
I guess it should not be normal sku. https://t.co/SFubzjdXNG— Raichu (@OneRaichu) June 21, 2022
Intel CPUなどのリーク情報を扱うOneRaichu氏によると、IntelのRaptor Lake-SではETVBモード中であれば最大動作クロックが6 GHzに達するモデルが登場する可能性があるとの事です。
このETVBモードについてはIntel CPUのオーバークロックを支援するソフトウェア、Extreme Tuning Utilityの最新アップデートにて搭載されており、Raptor Lake-S CPUの事を指す『将来的なプラットフォーム向け機能』として各コア毎のOC TVB (Thermal Velocity Boost)とパッケージ毎のOC TVBのサポートの他にOneRaichu氏が記載していたETVBであるEfficient Thermal Velocity Boostが追加されています。
このETVBが具体的にどのような機能であるのか不明ですが、Raptor Lake-SではDLVR Power Deliveryと呼ばれる新しい電源供給方法が取られる見込みになっています。
Raptor Lakeでは現行製品比で消費電力を大幅削減。Intelの特許情報より
このDLVRではAlder Lake-S世代に比べると25%ほど消費電力を下げる効果があるため、抑えられた消費電力と発熱分をブーストクロックに上乗せするという可能性がありそうです。
恐らく6 GHzに達するのはCore i9-13900KSなど特別モデルになると見られていますが、長らく達成する事が出来なかった6 GHzの壁をIntelが超えられるかどうかは見ものです。
この6 GHzを超えるRaptor Lake-SはIntelとしてはAMDが2022年中にリリース予定としている3D V-Cache搭載のRyzen 7000シリーズに対抗する事を目的に発売がされると考えられますが、性能面でどうなるのか、あとロマンがある一方で消費電力や発熱面でどうなるのか少し心配ですね。
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