Intel Lunar Lakeのワークロード毎の消費電力が判明。ES品段階でも動画視聴時などはMeteor Lakeの半分程度の電力消費に
IntelがComputex 2024で発表したLunar Lakeは、低消費電力性能に焦点を当てたCPUです。ライバルはAMDのRyzen AI 300シリーズですが、より意識しているのは低消費電力で定評のあるArmアーキテクチャを搭載するQualcomm Snapdragon Xです。今回、Lunar Lakeの消費電力に関するリーク情報が登場しました。
リークされた情報では、各ワークロードに対してMeteor Lake世代のCore Ultra 7 165UとLunar LakeのTDP 17Wモデル(おそらくCore Ultra 7 268V)の平均消費電力を比較しています。
コネクテッドスタンバイでは、Meteor Lakeが50mWに対しLunar Lakeは84mWと上回っていますが、これは最適化不足が原因と考えられます。その他のワークロードでは、Lunar LakeがMeteor Lakeを大きく下回る消費電力で動作しています。
特に消費電力の低減が顕著なのは、バックグラウンドタスクや動画ストリーミングサービス利用時で、Meteor Lakeに対しLunar Lakeでは39%から43%の消費電力削減が実現されています。また、Microsoft Teamsでのビデオ会議でも、背景ぼかしなどのエフェクトを追加した状態で、40%近い消費電力低減を実現しています。これにより、ビジネスシーンや日常的な利用において優れた電力効率が示されています。
Lunar Lakeは2024年9月17日から23日の間に搭載されたノートPCが一斉発売される予定で、今後さらなる最適化が進められる見込みです。そのため、製品版ではさらに低い消費電力での動作が期待されています。
Lunar LakeはIntelもx86プロセッサではあり得なかった電力効率を実現したと述べるほど低い消費電力で動作させる事に焦点を当てたCPUになっていますが、ES品段階でもすでにMeteor Lakeを40%程度下回る消費電力で動作できていることが明らかになっているため、製品版ではさらなる消費電力低減とともにQualcommのSnapdragon Xシリーズに匹敵するバッテリー持続時間が期待されています。
特にQualcommをはじめとするArm陣営では将来的に50%を超えるPCがArmに置き換わるという大胆予想を示していますが、IntelのLunar Lakeの出来次第では、この予測は単なる希望に終わる可能性もありますので、今後このLunar Lakeの消費電力の低さとパフォーマンスには注目です。
Jaykihn | X (Twitter)
補足情報
Lunar Lakeは2024年6月開催のComputex 2024でIntelが発表した低消費電力CPUで、主にノートPCへの搭載が想定されているモデルになっています。発売時期は2024年9月17日から24日の間に予定されており、AMDのRyzen AI 300シリーズのほかに、低消費電力と言う観点ではQualcommのSnapdragon X Eliteと競合するモデルになっています。
製品ジャンル | メーカー | 製品名 | 発売予定時期 |
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CPU | Intel | Core Ultra 200V | 2024年9月17日から24日の間 |
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