Intel Lunar Lakeの内蔵GPU性能が判明。30W動作ではGTX 1650超えの性能を発揮も注意点も。
IntelがComputex 2024で発表したLunar LakeはノートPCをターゲットに低消費電力を売りにしたCPUになっていますが、どうやらこのLunar Lakeでは非常に高い内蔵グラフィクス性能を持っている可能性がベンチマーク結果のリークで明らかになっています。
Lunar LakeはP-Core側にLion Cove、E-Core側にSkymontアーキテクチャーを内蔵し、ラインアップ中のすべてのモデルで4P+4Eのコア構成になっています。また、内蔵GPUに関してはBattlemageアーキテクチャーであるXe2を搭載し、最大8基のXe2コアを内蔵しています。ただ、TDPについては低めでCore Ultra 9以外のPL1は17W、PL2は30Wに設定されています。
そんなLunar Lakeについてリークされたベンチマーク情報によると、3DMark TimeSpyのグラフィクススコアにおいてTDP17W動作の場合は3438ポイントを記録し、30W動作時は4151ポイントを記録しているとのことです。
GPU | 3DMark TimeSpy Graphics |
---|---|
GeForce RTX 3050 (TDP50W | ノートPC | 4800 |
Ryzen AI 9 HX 370 (TDP54W | Radeon 890M) | 4221 |
Core Ultra 200V (TDP30W | ノートPC) | 4151 |
GeForce RTX 2050 (TDP 50W | ノートPC) | 3700 |
GeForce GTX 1650 (デスクトップ) | 3700 |
Core Ultra 7 155H (TDP28W | ノートPC) | 3600 |
Ryzen AI 9 HX 370 (TDP28W | Radeon 890M) | 3600 |
Radeon RX 6400 (デスクトップ) | 3500 |
Core Ultra 200V (TDP17W | ノートPC) | 3438 |
Ryzen 9 8945HS (Radeon 780M) | 2800 |
このスコアをほかのグラフィックカードや内蔵GPUと比較すると、先代TDP 28Wで動作するMeteor Lakeに対してTDP17W動作でも5%劣るレベルに迫っており、TDPを40%低減させつつ性能を同等レベルに持ってくるなど驚異的な電力効率を誇っています。またTDP30Wでの動作ではMeteor Lakeに対して15%優れる性能を発揮しています。
ほかのグラフィックカードなどと比べるとTDP 30W時のLunar Lakeはデスクトップ向けグラフィックスカードであるGeForce GTX 1650を12%上回っており、TDP28W動作のRyzen AI 300シリーズ内蔵Radeon 890Mに対しては15%ほど優れる結果を記録するなど電力効率が非常に高いと言える結果になっています。
ただ、非常に良好なベンチマーク結果を残しているLunar Lakeですが、注意点もあります。
Intelの内蔵GPUで計測される3DMarkベンチマークは先代のMeteor Lakeでも3600ポイントと既にRyzen AI 9 HX 370やGeForce GTX 1650に迫るようなスコアを叩き出していました。しかし、これはIntelのGPUアーキテクチャーが3DMark系ベンチマークに最適化を施しているためとも見られており、実際のゲームではAMDのRyzen 9 8945HSがMeter Lakeを大きく上回るパフォーマンスを発揮するケースが多いため、今回のLunar Lakeについてもゲーミング性能はRyzen 9 8945HS並みか少し超えるぐらいの性能になるのではないかと考えられます。
IntelのLunar Lakeについては低消費電力を武器にしたCPUであるため、ゲーミング性能はそこまで求められないCPUにはなっていますが、Battlemageアーキテクチャーに切り替えた事で先代のMeteor Lakeに対してグラフィクス性能と電力効率は大きく上がっている事は確実です。そのため、このLunar LakeについてはCPU性能もですが、GPU性能についてもそこそこの性能に期待しても良さそうです。Lunar Lakeとは少し話が逸れますが、このBattlemageを採用したデスクトップ向けGPUも2024年から2025年に登場すると言われているので、こちらもどのような性能になるのか期待したいところです。
Jaykihn | X (Twitter)
補足情報
Lunar Lakeは2024年6月開催のComputex 2024でIntelが発表した低消費電力CPUで、主にノートPCへの搭載が想定されているモデルになっています。発売時期は2024年9月17日から24日の間に予定されており、AMDのRyzen AI 300シリーズのほかに、低消費電力と言う観点ではQualcommのSnapdragon X Eliteと競合するモデルになっています。
製品ジャンル | メーカー | 製品名 | 発売予定時期 |
---|---|---|---|
CPU | Intel | Core Ultra 200V | 2024年9月17日から24日の間に |
コメント
コメント一覧 (2件)
これは期待してしまいますな。
今までのIntelは先ずは各種の機能(例えば過去にはQSVによるハードウェアエンコードやAV1コーデックのハードウェアエンコード、OpenCLの対応)を充実させてから、次の段階でその各種の機能の処理速度を上げるやり方をしてきていたのでいよいよ、処理速度を上げる段階まで機能がこなれてきたということかな。
GPU規模はRyzen AI 9とCore Ultra 7は互角なのでTDPが同じならば同等の性能を発揮しても不思議はない
なのでIntelのGPUアーキテクチャーが3DMark系ベンチマークに最適化を施している為というより
ゲーム側がGeforceやRadeonに最適化されていてIntelのiGPUでは動作チェックすらしてない可能性が高い
昔からIntelのiGPUだと性能以前にエラーがでて起動すらしないゲームが多かったりする
dGPUのシェアはダメだけどiGPUのシェアは大きいので性能を上げていけばメーカー側も無視できなく
なるしドライバも含めて改善すれば問題は解決して行くのではないかな