Intelでは2024年から2025年にかけてサーバー・データセンター向け製品のGranite RapidsとSierra Forestを発売予定ですが、今回これらのCPUが搭載可能なマザーボード、Avenue Cityプラットフォームについて詳細情報が明らかになりました。
Intel Granite Rapidsに対応するAvenue Cityマザーボードの詳細判明。TDPは標準仕様で500Wまで対応。DDR5は12チャンネルに
IntelではAMDのZen 4搭載のEPYC GenoaやGenoa-X、Bergamoそして、Zen5のEPYC Turinに対抗するサーバー・データーセンター向けCPUのGranite RapidsとSierra Forestを2024年を目処にリリース予定ですが、この2つのCPUに対応する開発用マザーボードであるAvenue Cityプラットフォームについて詳細に関する資料がリーカーのYuuKi_AnSより登場しました。
Intelのサーバー・データーセンター向けマザーボードは現在最新鋭はLGA4677が採用され、Sapphire Rapids向けのEagle Streamマザーボードで2023年中に登場するEmerald Rapidsにも対応します。この後に登場するGranite RapidsとSierra ForestではMountain StreamとBirch Streamマザーボードと共に登場が見込まれていますが、これら2つのCPUとマザーボードの開発用に使われるのが今回明らかになっているAvenue Cityマザーボードとなります。
このAvenue Cityマザーボードではサーバー向けの16.7 x 20 フォームファクターとなっており、Granite RapidsやSierra Forestに対応する巨大なLGA 7529ソケットを2つ搭載する構成になっています。
このマザーボードではTDP 500Wまで対応する事が可能になっており、合計12チャンネルのDDR5、PCIe Gen 5 x16を6レーン(合計96レーン)とUPIリンクを6 x 24搭載しています。
DDR5については合計24スロット搭載されており、速度は6400Mbpsまで対応し、MCR DIMMと呼ばれるサーバー向けのDDR5上位規格では最大800Mbpsまで対応します。
このほかに、PCIe x2で接続可能なM.2スロットを3つとPCIe x1で接続されたLANが内蔵されるほか、I/OにはUSB 3.0とUSB 2.0、Type-C、Mini-DPとギガビットイーサーネットなどが搭載された状態になっています。
このAvenue Cityに関しては一般ユーザーには全く関係のないマザーボードで、Granite Rapidsをベースとするワークステーション向けXeonではより一般的な形をしたマザーボードが登場すると見られていますが、注目すべき点はLGA 7529です。このLGA 7529はソケットサイズがiPhone 4並みに巨大なのは過去に紹介していますが、今回標準状態で最大500WのTDPになる事が明らかになっています。これは現行のSapphire Rapidsの350Wを大きく超え、AMDのEPYC Genoaの400Wを更に100W超える値となっています。
ちなみに、サーバー・データセンター向け製品ではこの500Wが上限値となると見られていますが、より高い動作クロックにオーバークロックが可能なワークステーション向けにおいては500Wを余裕で超える様なCPUになる可能性がありそうです。実際にSapphire Rapidsのワークステーション向けCPUではオーバークロックで2000W近い消費電力が記録されていたため、このGranite Rapidsをオーバークロックすれば3000Wに迫る値が記録される可能性がありそうです。
ちなみに、このGranite Rapidsは2024年末までにIntelは発売を見込んでいますが、Sapphire Rapidsが大幅に遅れた事から予定通り登場するかは未知数と言う所です。特に、Granite Rapidsで採用されるIntel 4プロセスについては、同じプロセスを採用するMeteor Lakeのデスクトップ向けがキャンセルとなり、ノートPC向けについても2023年発売は可能なものの、生産数が限られるなど順調に進んでいるとは言い難い噂も出ているため、2024年末発売を計画しているものの、2025年までずれ込む可能性は大いにあると見られています。
あと、CPU単体で500Wも消費電力が必要となると、近い将来データセンター専用の火力発電所か原子力発電所が登場してしまう気がしますね・・・
コメント