Intelの第5世代Xeon『Emerald Rapids』のベンチマークが登場。同じコア数のEPYCには追いつかず
2023年にIntelは第4世代Xeonである『Sapphire Rapids』を市場に投入しています。一方、ライバルであるAMDは、Zen 4アーキテクチャを採用し、最大96コアの『EPYC Genoa』とZen 4cアーキテクチャを採用し、最大128コアに多コア化された『EPYC Bergamo』の2つのCPUをリリースし、サーバーおよびデータセンター市場でのシェアを急速に拡大し続けています。
この状況に対応するため、Intelでは2023年末から2024年にかけて、現行の『Sapphire Rapids』の改良版である『Emerald Rapids』の投入を計画しています。最近、Emerald Rapidsの一部CPUのベンチマーク情報がリークされ、おおよその性能が明らかになりました。
このベンチマークはGeekbench 5で行われ、Xeon Platinum 8558Pと8551Cの2つのCPUの結果が公開されています。これらのCPUは両方とも48コア、96スレッドを有し、CPUアーキテクチャには『Raptor Lake』で採用された『Raptor Cove』が内蔵されています。キャッシュ構成では、L2キャッシュが各コアに4MB搭載され、合計192MBを備えています。一方、L3キャッシュはGeekbench上で16MBと表示されていますが、実際にはこれより多いと考えられ、260MB以上である可能性が高いです。
2つのCPUの違いは動作クロックにあり、Xeon Platinum 8558Pはベースクロックが2.7 GHz、Xeon Platinum 8551Cは最大2.90 GHzです。
ベンチマーク結果では、Xeon Platinum 8558Pはシングルコアで1359ポイント、マルチコアで51128ポイントを記録し、Xeon Platinum 8551Cはシングルコアで1371ポイント、マルチコアで48733ポイントを記録しています。
CPUモデル | シングルコアスコア | マルチコアスコア |
---|---|---|
EPYC 9454 (48コア) | 1600 | 53300 |
Xeon Platinum 8551C (48コア) | 1400 | 48700 |
Xeon Platinum 8558P (48コア) | 1400 | 51100 |
EPYC 7643 (48コア) | 1200 | 40400 |
性能面で見ると、IntelのEmerald Rapidsはまずまずのスコアを出しましたが、EPYC Genoaの48コアCPUと比較すると、シングルコア、マルチコアの両面で劣っており、マルチコアでは約4%低い結果となっています。ただし、先代のSapphire Rapidsに比べると性能は向上しています。
なお、Emerald Rapidsはまだ発売前であり、今後の最適化によっては、同じコア構成のEPYC Genoaと同等かそれ以上の性能を発揮する可能性もあります。しかし、EPYC Genoaは64コアや96コアなど、より多くのコア数を提供しており、性能を重視する顧客層にとっては依然としてAMDが支持され、シェアを拡大していくと考えられます。
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