Intel Core i9-12900Kを水冷で5.5 GHz達成。IHSごと水枕にする事で実現

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Intelから発売された第12世代CPUであるAlder Lake-Sの最上位モデル Core i9-12900Kですが、高い性能と引き換えに高い発熱が出ています。そんな、Core i9-12900Kについて、最大限の冷却効果を発揮させるために、殻割りを行い、IHS部分を水枕に置き換える水冷パーツが出現し、P-Coreを5.5 GHzまでのオーバークロックを実現しています。

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Core i9-12900Kを水冷で5.5 GHzまでオーバークロック

Supercool Computers Direct-Die waterblock and delid tool for Intel Alder Lake Review| Intel Core i9-12900K in Pain | igor’sLAB (igorslab.de)

Intelでは2021年11月4日よりAlder Lake-SシリーズCPUを発売しており、この中で最上位モデルとなるCore i9-12900KではP-CoreとE-Coreをそれぞれ8コア搭載するCPUとなっています。

Core i9-12900KではP-Coreは最大5.2GHzまでブーストがかかり、全コア動作時は5.0GHzまでブーストとなりますが、動作クロックが高い分CPUの温度は非常に高くなります。ただ、Alder Lake-S CPUでは発熱部であるダイを薄くしつつ、熱伝導材も薄くし、IHSを分厚くする事で効率よく熱をCPUクーラーへ伝えられるようにしていますが、それでも更なるオーバークロックを行うとなると限界があります。

そこで、タイの水冷PCパーツを作る『Supercool Computers』がIHSを水冷用の水枕に置き換えてより効率よく冷却が可能になるパーツ、Supercool Direct Die水枕を開発し、Igor’s LABがオーバークロックを行う事でこのパーツの限界に挑んでいます。

殻割りが必須だが治具を付属。

このIHSを水枕に置き換えるパーツはタイの『Supercool Computers』が作っているのですが、サイト自体はタイ語で注文を掛けるには言語の壁の他に、物流面でも難しいようです。また、なぜかこのAlder Lake-S用のSupercool Direct Die水枕はFacebookやTwitter、Discordでしか受け付けていないようです。ただ、近い内にホームページでは取り扱われるようです。

ただ、パーツ一式としては比較的良心的で、殻割りを行うための治具や殻割り後、水枕を所定の位置に収めるための治具も付属しているようです。また、水冷パーツの固定に使われるレンチ類も必要な大きさのものがすべて付属されているようです。

そして、肝心な水枕部分ですが、上半分はアクリル製のパーツで出来ており、IHSを置き換える部分はニッケル銅メッキで作られています。形自体はAlder Lake-SのIHSとほぼ同形状になっています。

通常の水枕と比較すると温度が-16度低下

Igor’s LABでは通常の水枕でもあるCorsair XC7 RGB Proと今回のIHSを水枕に置き換えるSupercool Direct Die水枕との比較が行われています。

CPUはE-Coreを無効化したCore i9-12900Kを全コア5.2GHzに固定した状態で構成されており、Prime95 AVX2を動作した時の温度を計測しています。

結果としては、Corsair XC7 RGB Proが平均70.14度である一方でSupercool Direct Die水枕では54.29度を記録しており、CPU温度が15.85度も低い状態になったとの事です。

オーバークロック耐性は大幅向上で5.5GHzを達成。TDPは337W

Supercool Computers Direct-Die waterblock and delid tool for Intel Alder Lake Review| Intel Core i9-12900K in Pain | Page 4 | igor’sLAB (igorslab.de)

CPU温度が大きく下げられるという事で、オーバークロックについてもIgor’s LABでは検証がされています。オーバークロックの成否と性能向上代の計測はy-cruncher 2.5bベンチマークで実施され、こちらもCore i9-12900KのP-Coreのみを有効化した状態かつ、AVX-512を利用可能な状態で計測が行われています。

5.5 GHz動作時

オーバークロックについてはSupercool Direct Die水枕を搭載した状態では最大で5.5GHzでの動作を達成しているとの事です。この5.5GHzと言う値は通常のラジエーターに繋いだ水冷構成のPCとしてはトップを飾る動作クロックになっているとの事です。また、5.5 GHz動作時のy-cruncherスコアは52.973となっており、P-Coreのみ動作状態のCore i9-12900Kにおいてはランキング1位となっているとの事です。

なお、5.5GHzで動作している際の温度は100度を下回っていたとの事ですが、電圧については1.42Vとなっているとの事です。また、消費電力についてはCPUパッケージのみで337Wを記録しています。

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Core i9-12900Kに限らずAlder Lake-Sでは非常に高いオーバークロック耐性を有しているようですが、殻割りを行い、IHSを水冷に置き換えるなど変態的な改造を加えるとここまで高い動作クロックを実現できるようです。このSupercool Direct Die水枕は残念ながらFacebookやTwitterなど闇取引のような方法でしか入手が出来ませんが、温度が15度近く下がるなど効果は非常に大きく、面白い製品ですので海外で有名なテック系Youtuberが取り上げるのでは無いかと思われます。そうなってある程度有名になれば、オリオスペックなどに入荷されるかもしれませんね。

 

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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