Intel Raptor Lake系の『VRAM不具合』を回避するBIOS登場。性能が約15%減

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Intel 第13世代と第14世代Raptor Lakeで発生していた『VRAM不具合』を回避するBIOSが登場。ただし性能は15%ほど減少

Intelの第13世代および第14世代などRaptor Lake系CPUの中でハイエンドのCore i9およびCore i7モデルを中心に、一部ゲームロード中などにCPUへの負荷が高まると【Out of Video Memory】などVRAM不具合を連想させるような警告が表示され、ゲームが落ちる不具合に見舞われています。このような他にも、ブルースクリーンなど動作不良が疑われる例がCPUを使用し始めて数カ月後から出現するなどCPUの劣化が疑われており、Intelも調査に乗り出しています。

ただ、この不具合の調査結果や対策についてはまだ明確にはされていませんが、ASUSが一部マザーボード向けにVRAM不具合を解消が見込める【Intel Baseline Profile】という設定を追加したBIOSを公開しましたが、どうやら性能が大きく下がってしまうことが明らかになっています。

このBIOSアップデートではIntelの工場出荷時状態の設定を適用する【Intel Baseline Profile Option】を追加し、基本的な動作と低い電力制限により一部ゲームの安定性を向上します。

ASUS BIOS & FIRMWARE (日本語訳)

ASUSがZ790向けに公開したBIOSで追加されるIntel Baseline Profileは簡単に言えばCPUの性能を向上させる機能をすべて無効化する状態にする機能で、マニュアルで操作する場合はASUS MultiCore Enhancementを無効化し、V/Fカーブマップを変えるSVID BehaviorをIntel Fail Safeに変更、さらにIA CEPとSA CEPをEnableにし、IA TDC Current LimitをIntel Defaultに変更するというものになっています。

簡単に言えばCPUをデフォルトに戻し、さらに安定性向上のための設定を盛り込むというものになっているのですが、Core i9-14900KSとこの不具合回避用BIOSを用いてベンチマークを取った結果、CPUの性能が大幅低下することが判明しているようです。

Core i9-14900KSについては発売時のレビューなどではCinebench R23はデフォルト状態で39,000ポイントから41,000ポイントほどを記録しており、実際にIntel Baseline Profileが追加されたBIOSにて変更箇所を元に戻した状態でベンチマークを取ったユーザーは同等のスコアが出ていることを報告しています。

しかし、このBaseline Profileを適用した状態のベンチマークでは36,000ポイントと15%近く性能が低下しており、Core i9-14900KSでありながら、Ryzen 9 7950Xに5%劣り、Ryzen 9 7950X3D並のスコアにまで落ちています。

このBaseline Profileは暫定的な措置であると考えられるため、ASUSなどのマザーボードメーカーも調整をかけるなどして性能を少し戻すかもしれませんが、安定性に問題を抱えている場合は性能低下を受け入れるか、不安定さを受け入れるかの選択を迫られることになるのが現状のようです。どちらにせよ、Intelも調査状況について教えてほしいところでもあります。

コメント

この問題についてIntelはまだ調査中ですが、Core i9-14900KSをはじめとするハイエンドモデルでは今まで相当無理を強いた設定だったのかもしれませんね・・・

このBIOS設定を適用すると10万円以上したCPUが、下位のCore i9-14900Kや前世代のCore i9-13900K近傍にまで性能が下がるなどユーザーとしては受け入れられない変更と言えますが、現状安定性に問題を抱えているユーザーはこのBaseline Profileのような安定側に振った設定をするしかなさそうです。

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