GoogleがオンデバイスAIのGemini NanoをPixel 8にも搭載する事を決定。24年6月のアップデートで投入予定
Googleは同社が開発したAI、Geminiの中でスマートフォン単体で動作可能な軽量バージョンのGemini Nanoを発表し、ボイスレコーダー要約やスマートリプライなどの機能が利用できます。このGemini Nanoは2023年12月からGoogle Pixel 8 Proにアップデートとして追加され、同じTensor G3プロセッサを積むPixel 8でも同機能の搭載が期待されていました。しかし、Googleは2024年3月にスペインで開催された帯通信関連の見本市『MWC 24』で行ったライブストリームにてPixel 8はGemini Nanoを搭載しないことを明らかにしました。
しかし、この発表から1か月も経たないうちに、GoogleはPixel 8でもGemini Nanoに対応する事を明らかにしました。
Google Pixel 8へのGemini Nanoは2024年6月に公開が予定されているAndroid 14 QPR3にて導入されると見られており、ユーザーはGemini Nanoが利用できるほか、開発者はPixel 8でAICoreも利用できるようになります。
GoogleがPixel 8でGemini Nanoが遅れてしまった理由について以下の通り述べています。
異なる大規模言語モデルを異なるメモリー容量を持つ端末で動かすと、ユーザー体験に差異が生まれてしまいます。そのため、Pixel 8については追加のテストや検証をしていました。
Google via Android Authority (英語から翻訳)
なお、Gemini Nanoに搭載されているボイスレコーダー要約とスマートリプライは英語のみ対応で、日本語対応はまだです。
Gemini NanoがPixel 8に導入されないと明言してしまったGoogleのライブストリームでは『ハードウェア上の制約』と言う言葉が使われました。実際にPixel 8 ProとPixel 8ではプロセッサは同じTensor G3を搭載していますが、メモリー容量が前者は12GBに対して後者は8GBで、これが『ハードウェア上の制約』になっていたと見られています。
しかし、同じく同機能を搭載するGalaxy S24ではメモリー容量が8GBであるため、メモリーが制約になるというのは説得力がなくRedditや海外メディア中心に批判も出ていました。
この批判が原因で今回の方針転換になったのかはわかりませんが、少なくともMWC24では『残念ながらPixel 8には対応しません』と言い切り『Gemini Nanoはハイエンドデバイスで投入される』と言っていることから当初はPixel 8 Proなど上位モデル限定機能としてGemini Nanoは置いておきたかったのかもしれません。
ちなみに、Pixel 8がGemini Nanoに対応すると、同じくTensor G3とメモリー8GBを搭載するなどハードウェア構成として近いPixel 8aでもハードウェア上の制約はなく対応できそうです。
New Gen-AI Features Coming to Your Pixel | Google
https://support.google.com/pixelphone/thread/266349981/
Google confirms Gemini Nano will come to the regular Pixel 8, after all | AndroidAuthoriy
https://www.androidauthority.com/gemini-nano-coming-to-regular-pixel-8-3429519/
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