サムスン3nmを活用するExynos 2500の歩留まりは20%以下であることが明らかに
サムスンが開発している次世代スマートフォン向けチップセットのExynos 2500では、サムスンファウンドリーの最先端プロセスである3nm GAAプロセスを用いた製造が予定されています。この3nm GAAプロセスでは、TSMC 3nmで使われているFinFETに比べて省電力性に優れるGAA構造が用いられていますが、この高度な技術の導入により、Exynos 2500は想像を絶する低い歩留まりに苦しんでいるようです。
サムスンのExynos 2500については、2025年初めに発売予定のGalaxy S25シリーズへの搭載が見送られたという話が数日前にありましたが、業界関係者によると、このExynos 2500の歩留まりは非常に低く、今年下半期まで歩留まりの向上に注力する方針であるようです。同チップセットの歩留まりは2024年第一四半期まで一桁台に留まり、2月に予定されていたES品の供給は延期されてしまったとのことです。その後、歩留まり向上に取り組んだものの、第二四半期時点でも歩留まりは20%未満であり、量産に向けて必要な最低60%という歩留まりには遠く及ばない状況です。
しかし、サムスンはSnapdragon 8 Gen 4に対してコストが圧倒的に安いExynos 2500の量産化を諦めておらず、量産を決心する期限である2024年10月ごろまで歩留まり改善に努めていく計画です。ここで歩留まりを引き上げることができれば、現行のGalaxy S24シリーズで行われているような地域ごとに供給するチップセットを変える方策が取られる可能性があります。
サムスンファウンドリーとしてはTSMCに対して技術的なアドバンテージを得るためにGAAを採用したのですが、現在の状況を見ているとこれが災いの元になっているようです。歩留まりがこのまま上がらなければサムスンとしてはGalaxy S25シリーズに高価なQualcommのSnapdragon 8 Gen 4の搭載を余儀なくされるため、既に赤字のファウンドリー事業が黒字のスマートフォン事業の足を引っ張る事にも繋がるため、今後のファウンドリー事業への投資規模縮小などが心配されます。
特に、3nmを超える先端プロセスを研究しているファウンドリーはTSMCのほかにIntelとサムスンの3社しかないため、サムスンが脱落すればTSMCがほぼ独占する状況が成立してしまいます。そうなるとコスト競争力の低下や各社にとって重要なサプライチェーンが1社に集中することになるため、個人的にはサムスンが3nm GAAを立て直して、2nm GAAなどに向けてTSMCのライバルとして頑張ってほしいところです。(Rapidusも頑張ってほしいですが、まだ未知数です。)
삼성전자, ‘엑시노스 2500’ 수율 개선 총력…하반기 ‘갤S25’ 명운 갈린다 | ZDNET Korea
コメント
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何故に改善せずにステップアップするのか?
アホだからとしか言えない