安易『AI』と言うワードを製品に使うと購買意欲が下がる事が研究で明らかに

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安易『AI』と言うワードを製品に使うと購買意欲が下がる事が研究で明らかに

2023年に入り、ChatGPTを筆頭に、業種や業界を問わず製品のアピールポイントとして「AI」を大々的に宣伝する事例が増えています。そのため、最近では製品にAIを取り入れる例が増えています。例えば、AMDのRyzen AI 300シリーズやGIGABYTEの製品ブランド『AI TOPS』、さらにCooler MasterのCryoFuze 5 “AI Thermal Paste”など、様々な製品に「AI」という名称を使用する傾向があります。

しかし、安易に「AI」という言葉を製品名や製品説明に入れると購買意欲が下がる可能性が、ワシントン州立大学の研究により明らかになりました。

この研究結果は「Journal of Hospitality Marketing & Management」に掲載され、アメリカ在住の成人1000人以上を対象に、「AI」というマーケティングフレーズと消費者行動の関係性を評価しました。

研究によると、「AI」というフレーズを用いた製品は、一貫してそうでない製品に比べて人気が低くなることが示されました。この研究では、さまざまな製品およびサービスカテゴリにわたり質問と説明を含む実験を行いました。例えば、テレビに関して、1つのグループには通常の説明を行い、もう一方のグループには「AI」という単語を含めて説明を行ったところ、「AI」が含まれた説明を受けたグループはそのテレビを購入する可能性が低くなりました。また、この購買意欲の低下は高リスク製品ほど顕著に表れます。例えば、高価な電子機器や医療機器、金融サービスなどでは、「AI」を使ったり、説明に加えたりすると消費者はより警戒し、製品やサービスを購入する可能性が減少します。

研究ではさらに、8つの異なる製品およびサービスカテゴリーでも調査を行いましたが、結果はすべて同じで、「AI」という単語を含めると不利に働くことが示されました。企業が「AI」という単語を闇雲に使うと、アピールどころか製品の購入を避けられる可能性があることを指摘しています。

AIについては万能なイメージを持つ人もいる一方で、実際にChatGPTやGeminiなどを使うとハルシネーションによる不正確な回答があるケースがあります。また、金融や自動運転などでは、学習データによっては人間では考えられないような動きをすることがあります。扱う側が監視するにしても、ロジックが不明瞭であるため、何をするか予測できないなど不安を誘います。また、仮想通貨ブームの際のNFTなどと同じく、流行に乗っただけで『胡散臭い』というイメージを持たれる可能性もあります。そのため、今回の研究の通り、製品やその説明に「AI」を安易に付けると購買意欲が下がる結果となりました。

コメント

Ryzen AI 300シリーズなどのAI性能をアピールしたい気持ちは理解できますが、それで何ができるのか、どう便利になるのかは「AI」という言葉だけでは具体的にイメージできません。とりあえず流行っているから「AI」と言っているだけのようにも聞こえます。この研究によると、マーケティング上で賢くない選択のようです。実際に、強力なマーケティングチームを持つAppleも、ChatGPTなどを活用したApple Intelligenceを発表しiOS18で導入しますが、その発表会でも「AI」という言葉は一度も言いませんでした。マーケティングや営業をしている人は、話題になるからといって闇雲に「AI」という言葉を使うときは慎重に使い時を見定めた方が良いかもしれません。

ソース

Using the term ‘artificial intelligence’ in product descriptions reduces purchase intentions | Washington State University

https://news.wsu.edu/press-release/2024/07/30/using-the-term-artificial-intelligence-in-product-descriptions-reduces-purchase-intentions/

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『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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