2023年末にかけてDDR5やGDDR6などのメモリー価格が高騰へ。一方で上昇幅は8%程度とまだ穏やか
DDR4およびDDR5の価格はPCハードウェアの需要が減少する一方で、DRAMを製造するメーカーの生産調整が遅れたことを背景に在庫が積み上がり、2021年から2023年まで供給価格が右肩下がりを記録していました。しかし、MicronやSKHynix、サムスンなどDRAMメーカー各社が生産調整に踏み切ったことや、PCハードウェアの需要が持ちなおし始めていることを背景に2023年末以降からDRAM価格が上がり始める予測が出ているようです。
調査会社のTrendforceによると、2023年Q3(7~9月)期のスポット価格は前四半期に対してコンシューマ向けPCおよびサーバー向け市場においてはDDR4が3~8%下落する一方で、DDR5とDDR4/DDR5トータルでは~5%の価格上昇が記録されたようです。
また、同様の傾向はスマートフォンでも見られLPDDR4Xは~5%の下落の一方でLPDDR5Xは~5%の上昇が記録されています。
他のグラフィックスカード用などでは~5%の下落が記録され、トータルでは~5%程度の価格下落が記録されています。
一方で、来期(10月から12月)については全体的に価格が高騰するようです。コンシューマ向けPCやサーバー、スマートフォン、グラフィックスカード含めて最大で8%ほど価格高騰が予測されているようです。
来期予測の中で特にグラフィックカード向けのGDDR6については各社在庫がまもなくそこを尽きる予定とのことです。これはNVIDIAのデータセンター向けグラフィックスカードの『L40』やノートPC向けグラフィックスカードの需要が好調である事が背景にあるのですが、在庫がなくなる事でGDDR6メモリーについては価格が上がりやすい傾向にあるとのことです。
この価格高騰の背景は冒頭の通りDRAMメーカー各社による生産調整の影響や需要の増加ですが、今回予測されている3~8%の価格高騰自体はDRAMメーカー各社が望むほど価格高騰は起きていないようです。しかし、これはあくまで来期までの予測で、2024年以降については各メモリー在庫が枯渇するほか、コンシューマー向けからエンタープライズ向けPCの需要も引き続き回復すると考えられるため、スポット価格は2023年Q4同様に3~8%かこれらの数字を上回る可能性がありそうです。
そのため、DDR4やDDR5などメモリー関連の製品の購入を検討している人は遅くとも年内には購入しておいた方が良いかもしれません。
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