データセンター企業がAI向けGPUの多様化を模索中。AMDがシェア奪還に向けて動きを加速?

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データセンターを運用する企業がGPUの多様化を模索中。AMDが有力候補に?

Data center firms keen to diversify AI GPU sources (digitimes.com)

ここ最近、ChatGPTやMidJourneyなどコンシューマーからエンタープライズ向けにAI技術が活用されている事をうけて、OpenAIをはじめ、Google、Amazon、AppleなどがAI技術の研究開発と実用化に向けてデータセンターに対して多くの投資を行っていると見られています。そんなAIの開発に重要なのがグラフィックカードで現時点では主にNVIDIAのAmpere A100やHopper H100などNVIDIA製が主力でそれ以外に同じぐらいAI用途でパワフルなグラフィックカードはありません。

しかし、NVIDIA一点にサプライチェーンが集約される事は経営上のリスクであるとして多くのデータセンター運用企業はグラフィックカードの多様化を図るべくNVIDIA以外にAMD製グラフィックカードの投入を検討している可能性が出ているようです。

サプライチェーン関係者によるとNVIDIAではソフトウェアからハードウェアなどエコシステムの強さに加え、価格や仕様および供給面でAI向けGPU分野でリードをしています。実際に同社の最近の決算ではAI向けGPUの躍進により時価総額が一時的に1兆ドルを超えるなど将来性に期待が持たれています。ただ、上流から下流すべてで1つの企業が支配する事をデータセンター運用する企業は懸念として見ており、現状はNVIDIAに対して価格面や供給面で交渉の余地が全くない状態にもなっているようです。

そのため、一部企業ではAMDと協力する姿勢を見せており同社のEPYCと間もなく詳細について発表されるInstinct MI300を組み合せたデータセンターの構築を行っているようです。

AMDについてはサーバー向けCPUでシェアが0%に近い状態から数年でシェア20%を超えるまでに成長し、Intelを追いやる存在にまで成長を見せていますが、AMDではNVIDIAに対してもIntelと同じ様に勝負を仕掛けており、2023年6月13日に同社のAIテクノロジー関連の技術や製品を紹介するイベントを開催予定でここで同社のデータセンター向けグラフィックカードのInstinct MI300の詳細について発表されると見られています。

このInstinct MI300はNVIDIAのHopper H100に対抗する事を目的に開発が行われており、TSMC 5nmを活用したGPUコアを搭載するとともに、Zen 4 CPUやHBM2チップレットを1つパッケージに集約した製品となっており性能面ではAI研究を長年続けているNVIDIAに対して遅れはあるものの、CPUとGPU、HBMを1つのパッケージに詰め込むことでスペース効率や電力効率が非常に高くなると見られており、コストパフォーマンス面でNVIDIAを上回る事を目指していると見られています。

一方のNVIDIAについては、Hopper H100が最も高い性能を持つグラフィックカードを持っており、CUDAコアを14592基、Tensorコアを456基搭載するとともに、AI処理で重要となるメモリーについては2 TB/sの帯域幅を誇るHBM2eを80GB搭載しています。この並外れた性能によりAI用途で使われるデータセンター向けとしてシェアを大きく拡大中で2023年時点では納期が半年以上先など供給が需要に追いついていない状態になっています。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • まぁ、当然だろうね。

    nvidiaって企業は、自分達が優位に立つととことん相手を見下した対応をする企業だからね。

    このままnvidia一強だと、自分達にとって都合が悪いのは明確なんだから、多少損してでもAMDに競争相手になって貰わんとね。

    nvidia一強は、地獄待ったなしだからね。

    今のゲーミングPC業界の地獄絵図を見りゃ明らかだわな。

  • AMDと組んだところで結局はTSMCに依存してるからなぁ

  • このまま調子こかせて、MSがやられたみたいに
    「独占禁止法に触れるから、会社解体or技術全開示」
    をEU辺りが迫るのを待ってた方が良いと思うな

  • 十年以上前から「業界のために二番手をもっと買おうぜ。俺は一番手を買うけど」というネタがあってだな

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