NVIDIAではCyberpunk 2077で利用可能な新しい設定『Ray Tracing Overdriveモード』の実演デモと詳細について明らかにしましたが、この『Ray Tracing Overdriveモード』を動作させると現在、最上位グラフィックスカードであるGeForce RTX 4090でさえも平均16FPSでの動作となってしまうようです。
Cyberpunk 2077 RT Overdriveモードが登場。GeForce RTX 4090でも平均は16FPSに
NVIDIAとCyberpunk 2077を開発するCD ROJEKT REDではレイトレーシング技術の最終形態とも言えるパストレーシング技術をGDC 2023にて発表をしました。このパストレーシングについてはシーン全体の光を正確にシミュレーションするなどでゲームのリアリティーが大幅に向上する技術であると言われていますが、NVIDIAがこのパストレーシングが適用されたCyberpunk 2077の新設定『Ray Tracing Overdriveモード』の実演デモと詳細についてYoutubeのチャンネルで公開をしましたが、『シーン全体の光を正確にシミュレーションする』と言う言葉の通り、非現実的に動作が重いようです。
Cyberpunk 2077 | Ray Tracing: Overdrive Mode – 4K Technology Preview Reveal – YouTube
NVIDIAが公開したCyberpunk 2077の『Ray Tracing Overdriveモード(以下RTOモード)』は2023年4月11日にCyberpunk 2077に追加される新しいレンダリングモードで、単なる設定変更に留まらず、現在のレイトレーシングパイプラインをパストレーシングに置き換えるモノになっています。
現行のレイトレーシングに関しては反射やグローバルイルミネーションとその他のエフェクトをレイトレーシングで表現し、他はラスタライゼーションで組み合わせたハイブリッドレンダリングでした。しかし、RTOモードで導入されるのは完全なレイトレーシングで、ゲーム内のすべての光源はパストレースされ、NVIDIAリアルタイムデノイザー(NRD)、NVIDIA RTXダイレクトイルミネーション(RTXDI)、およびシェーダー実行再配置(SER)で画像品質を向上させ、パフォーマンスを向上させる構成になっています。
このパストレースはNVIDIAがPortal RTXで行ったアップグレードと同じものですが、Cyberpunk 2077ではPortal RTXより遥かに新しいゲームで要求性能は高くなっています。
そのため、NVIDIAがYoutubeで公開した動画では現在購入が可能な最高性能のグラフィックスカードであるGeForce RTX 4090を使用しても、RTOモードを4K解像度で実行すると約16FPSでの動作となりゲームとしてプレイする事はほぼ不可能なレベルになっています。
ただ、NVIDIAとしてはDLSS 2.0のパフォーマンスモード、つまりフルHD相当のレンダリング出力をアップスケールし、さらにDLSS 3.0でフレーム生成を組み合わせる事で約120FPSに向上させることが可能になっておりパストレーシングでのゲームプレイが可能になるとしています。
このCyberpunk 2077のRTOモードを動作させるためのシステム要件はまだ不明ですが、RTX 4090でさえも動作に苦戦する事から恐らく最低でもハイエンドのGeForce RTX 3090やRTX 4070 Ti以上のグラフィックスカードは必須と言えそうです。ただ、ネイティブ解像度を引き下げるなどをすればRTX 3080などでも動作が可能と言えそうですが、RTX 3000シリーズではDLSS 3.0には対応できないため、快適と言えるフレームレートでプレイできない可能性は高そうです。
コメント
コメント一覧 (2件)
ライティングを正確にシミュレートしても
解像度やフレームレートをAIで疑似的に表現するなら本末転倒じゃね?
RTって正直大して違いわからないし需要ない感じだけど、RTOにすると結構変わりますね。通常のRTだと反射にあとから影のレイヤーを重ねただけな感じですが、RTOだと光線の先に障害物があるとちゃんと影が落ちるようになって、影になってるところがちゃんと暗くなる。まあ、需要があるかは別なんですが。単純に良いグラボ持ってるからRTオンにするだけで、細かいグラの違いなんて気にしてるのは極々一部って感じだし、RTオフでも良くできてれば大体自然に見えちゃいますからね