CPU付属クーラーや豪華な箱は廃止? 欧州がパッケージに関する法規規制を適用へ

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CPU付属クーラーや豪華な箱は廃止? 欧州がパッケージに関する法規規制を適用へ

現在、AMDやIntelのミドルレンジCPUには純正CPUクーラーが付属しており、ハイエンドモデルではディスプレイ用の豪華な箱も同梱されています。しかし、環境規制に積極的な欧州では、EU 2025/40指令が2025年2月11日に発効され、2026年8月12日以降に小売包装に関する規制が施行されることが明らかになりました。

この法規は、小売時に発生する個包装などの廃棄物削減を目的としており、『Package and Package Waste Regulation』の名称が示す通り、パッケージ廃棄物の抑制を目指しています。具体的には、2030年までに2018年比で1人当たりの包装廃棄物を5%、2035年には10%、2040年までに15%削減する目標が設定されています。また、さまざまなパッケージに対して数値ベースの規制が導入され、その中にCPUパッケージも規制に含まれる可能性があります。

特に、CPUパッケージのデザインに影響するのは、空きスペースの削減(過剰包装の抑制)という要件です。EU 2025/40指令では、パッケージ内部の空きスペースを最大50%までに制限する規定が設けられています。

一般的に、CPU本体は縦横10~15cm程度です。OEM向けのバルク販売では、CPUより一回り大きなプラスチック製パッケージに梱包されます。一方、量販店向けのハイエンドモデルでは、所有欲を満たすためか、Core Ultra 9 285Kのようにディスプレイ向けのデザインや、Core i9-9900Kのようにサッカーボール型で特別感を演出するパッケージが採用されています。また、一般販売モデルでは、CPUクーラー同梱用の大きな箱が標準となるため、クーラー非同梱モデルでもCPU本体に対して10~50倍近い体積のパッケージに入れられることが多くなっています。

しかし、こうしたパッケージは、内部の空きスペースが最大50%に制限されるという要件に抵触する恐れがあり、2026年8月12日までにAMDやIntelはパッケージデザインの見直しを迫られることになります。

今後、EUの新法規に適合するため、AMDやIntelはパッケージデザインを大幅に縮小すると予測されます。また、欧州だけのためにパッケージを作り分けるとは考えにくいためこの規制は世界各国に影響が及ぶ可能性から、近い将来ハイエンドモデルで採用されていた豪華なパッケージデザインは廃止される可能性が高いと言えます。また、純正CPUクーラーも、空きスペースの制限や使用者の減少を背景に、順次廃止される方向へ進むと見られていますので、もしハイエンドモデルならではの特別なパッケージが欲しいまたは純正CPUクーラーが良いという方は年内にAMDやIntel製CPUを購入しておいた方がいいかもしれません。

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『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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