Intel Core Ultra 5 245Kのベンチマークも登場。Core i9-12900K超えの性能を発揮
Intelは2024年末までにArrow Lake-S世代となるCore Ultra 200シリーズの内、オーバークロック可能なKバリアントの発売を予定していますが、この中で最も廉価で、ミドルレンジ向けとしてラインアップされるCore Ultra 5 245Kのベンチマークが初めて登場し、おおまかな性能が明らかになりました。
Core Ultra 5 245Kは6P+8Eの合計14コア、14スレッドで構成されるCPUで、L2キャッシュは14MB、L3キャッシュは18MBで合計32MBのキャッシュ容量を持ちます。動作クロックはベースが4.2 GHz、ブースト時は5.2 GHzに設定され、TDPはPL1が125W、PL2は159Wに設定されると言われています。
ベンチマークはWindows 11にCOLORFUL iGame Z890 ULTRAと呼ばれるマザーボードと組み合わせた構成になっています。ベンチマークはGeekbench 5と言う事で最新のGeekbench 6より古いもので取られています。
そんなCore Ultra 5 245Kのベンチマーク結果はシングルコアが2248ポイント、マルチコアが18354ポイントを記録しています。
CPU | シングルコア | マルチコア |
---|---|---|
Core i9-14900K | 2410 | 26901 |
Core i7-13700K | 2102 | 19040 |
★Core Ultra 5 245K | 2248 | 18354 |
Core i9-12900K | 1902 | 17522 |
Ryzen 9 5950X | 1750 | 17443 |
Core i5-14600K | 2210 | 15533 |
シングルコアは先代のCore i5-14600Kに対して1.7%と小幅な性能向上に留まっていますが、あまりにも差が小さいため最適化不足などが疑われます。Core Ultra 5 245KはPL2が159WとCore i5-14600KのPL2値である最大181Wを大きく下回るため、もしかしたらこの電力設定の変更が影響しているかもしれません。
マルチコアに関しては先代モデルに対して18.2%向上が見られるなど大幅な性能向上が記録されています。このスコアはCore i9-12900Kを4.7%上回っており、非常に高いパフォーマンスを発揮していると言えます。
Core Ultra 5 245KではCore i5-14600Kと同じく6P+8E構成になっていますが、E-Coreには高いパフォーマンスを発揮できるSkymontに変更されていることからこのように同じコア構成かつCore i5-14600Kより低い電力設定でも非常に高いパフォーマンスを発揮できているのかもしれません。
このベンチマーク結果はCore Ultra 7 265KFと同じくまだ最適化される前のベンチマーク結果と言える他、比較的古いGeekbench 5で取られているため、シングルコアやマルチコアの性能に関しては製品版発売や他のベンチマークでは結果が大きく異なる可能性があります。ただ、ミドルレンジ向けではAMDのRyzen 5 9600Xが先代モデルに対して大きな性能向上が見られていなかったため、仮にここまで高いパフォーマンスを発揮できるのであれば、期待ができ、ゲーミング性能次第ではコンシューマー向けとしては非常に高い人気を持つCPUになるかもしれません。
Core Ultra 5 245KはArrow Lake-S世代のCore Ultra 200シリーズとして最も廉価モデルであり、普及価格帯で発売されるモデルになります。そのため、多くのユーザーが期待するCPUであると言えるのですが、今回のGeekbench 5のスコアが他のワークロード、特にゲーミングでも近い結果が得られるのであれば競合のRyzen 5 9600Xの性能があまり冴えないため、人気が高いCPUになる可能性があります。
ただ、まだ1つのベンチマークの結果しか出ていないため、他のベンチマークでも今回と同じくCore i5-14600Kから大きく性能向上し、Core i9-12900K並みのマルチコア性能が発揮されるのかなど注目です。
COLORFUL iGame Z890 ULTRA (Core Ultra 5 245K) | Geekbench 5
コメント