Intel Core Ultra 200SはWindows 11 24H2で性能が低下。 Intelも発売を急ぎすぎた
Intelが2024年10月24日に発売したArrow Lake-S世代のCore Ultra 200Sシリーズのレビューが一斉に掲載されたものの、バラツキが非常に大きいほか、コンシューマー向けCPUとして重要視されやすいゲーミング性能では先代のRaptor Lake RefreshやAMDのRyzen 9000シリーズに劣ることから、Ryzen 9000シリーズ登場に続き、あまり良いレビューを受けていない状況と言えます。
— Everest (@Olrak29_) October 24, 2024
そんなCore Ultra 200Sシリーズですが、Ryzen 9000シリーズの時と同じく最適化不足のまま発売を迎えてしまった可能性があり、Windows 11 24H2を利用する際に電力プロファイルを「バランス」のまま使用すると非常に低いパフォーマンスを記録するなどの不具合が発生しているようです。
Hardware UnboxedのレビューではWindows 11 23H2を用いて計測されていましたが、その理由としてはWindows 11 24H2ではパフォーマンスが不安定になるとのことです。
実際のスコアでは『Star Wars Jedi: Survivor』ではWindowsの電力プロファイルを「パフォーマンス最適化」モードでも7%のスコア低下が見られていますが、電力プロファイルを「バランス」に設定した場合は平均FPSが12%低下し、1%Lowでは36%も性能が落ちるなど、明らかなパフォーマンス低下が見られるとのことです。
また、他のゲームでもWindows 11 24H2の方がパフォーマンスが上がるゲームも少しだけあるものの、ほとんどのゲームではWindows 11 23H2に比べて3~10%ほどのパフォーマンス低下が確認されるようです。
この問題についてはGamersNexusがIntelに問い合わせを行っており、IntelでもWindows 11 24H2でのパフォーマンス低下問題を認識しているとのことです。ただ、ここでは「バランス」モード設定時のことしか明言されていませんが、「パフォーマンス最適化」モードでもWindows 11 23H2に比べてパフォーマンスが低いという問題まで認識しているかは不明です。ただ、多くのレビューで同様の指摘が出ているため、近いうちに修正が行われると見られています。
AMD Ryzen 9000と同じく発売を急ぎすぎた?
一足先に発売されたRyzen 9000シリーズでは、レビュー時にまだ正式配信されていなかったWindows 11 24H2でしか本来のパフォーマンスを発揮できないという不具合が残された状態で発売され、結果的に多くのレビューで酷評を受ける形となってしまいました。また、Ryzen 9シリーズではCore Park機能やBIOS側にも不具合が残された状態で発売され、発売1か月後にようやくすべての不具合が修正された状態になるなど、発売を急ぎすぎたことが明らかでした。
しかし、今回のIntel Core Ultra 200SシリーズはAMDと全く同じような有様で、パフォーマンス低下のほかにBSoDの頻発やEasy Anti-Cheatが動作しないなど様々な問題も報告されているため、AMDがRyzen 9000シリーズで失敗してしまったように、発売を急ぎすぎたとも言えるような酷い状況になっています。
そのため、パフォーマンスや安定性を含めて今後のWindowsやBIOSアップデートを通じて大幅な改善が期待されますが、発売後のレビュー以降に再度レビューが行われることは稀であるため、Core Ultra 200Sシリーズについては発売時のレビューでの評価結果がしばらく付きまとうことになり、販売面で今後苦戦する可能性があるため、Intelが商品面およびマーケティング面で大規模な対策を打つのか注目されます。
Intel Core Ultra 9 285K Review, It’s A Mess…. Probably A Flop | Hardware Unboxed
Get It Together, Intel: Core Ultra 9 285K CPU Review & Benchmarks | Gamers Nexus
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