Core Ultra 200Sのパフォーマンス修正は2025年1月に延期。大幅な性能向上は見込めず
Intelが2024年10月に発売したArrow Lake-S世代のCore Ultra 200Sシリーズでは先代のRaptor Lake Refresh世代に比べて電力効率は向上しているものの、絶対的な性能は大きく向上しておらずデスクトップ向けCPUとして期待されているゲーミング性能に至っては先代モデルより劣る場面も見られるなど期待を大きく下回る出来栄えになっていました。
そんなCore Ultra 200シリーズについてIntelのマーケティング担当がIntelが想定するパフォーマンスを下回っており、2024年12月までにパフォーマンス改善を行うことを明らかにしましたが、Intelはこのパフォーマンス改善について原因や修正に向けたスケジュールを正式発表しましたが、パフォーマンス改善についてはあまり期待できない可能性がありそうです。
IntelによるとCore Ultra 200Sではパフォーマンスに影響を与える5つの不具合があるとのことです。
この内、4つの不具合はすでに修正済みで、例えばWindows 11 23H2に比べて24H2環境で性能が低くなる、APOで性能が上がらない、Easy Anti-Cheatを使うゲームでのBSoD、Windowsの電力設定でバランスを選択すると性能が大きく低下するといった不具合はWindows 11のアップデートや0x113マイクロコードまでのBIOSアップデートにより改善されているとのことです。
一方で、全体的なゲーミング性能については当初言われていた2024年12月までに修正というスケジュールから2025年1月までへ延期されるとのことです。また、このアップデートによるゲーミング性能の向上率に関しては合計35タイトルの平均値として数%程度に留まる見通しであることを明らかにしています。この性能向上率の場合、9%程度の性能向上が実現できればCore i9-14900K並の性能を発揮できますが、それでもRyzen 7 9800X3DやRyzen 7 7800X3Dには到底及ばない性能になります。
Core Ultra 200SシリーズはIMC(メモリーコントローラ)がCPUコアなどが含まれるCompute TileからI/O関連を担うSoC Tileに置かれておりこれがレイテンシが重要となるゲーミング性能に悪影響を及ぼしているのではないかと言われていますが、今回のアップデートで性能に大きな変化が見られないことからこの説が有力視されると言えそうです。なお、Intelが2025年に発売を予定しているデスクトップ向けPanther Lake-S世代のCore Ultra 300Sシリーズでも同様のメモリ構成になると言われているため、LGA1851ソケットを用いるIntel CPUに関してはゲーミング性能に苦戦すると言え、今後2年間はデスクトップ向けCPUではあまり高いシェアが期待できるとは言えなさそうな状況です。
Intel Reports Findings on Missing Arrow Lake Performance, Targets Jan 2025 for 0x114 Microcode | TechPowerUP
コメント
コメント一覧 (2件)
intel10nmからTSMC3nmに技術も飛躍的向上しコストも掛かった良いパーツ使用してるだけにこの結果は本当に勿体ない
ハイパースレッディング廃止にしたのも影響してそうだし、料理の素材は良いのに調理法違うみたいな感じがある
Intelがある程度強くないとCPU、GPUの値段が下がらないからある程度儲かってほしい
なんとも最近のintelは、どうした?というような失態が続くな