Core Ultra 200S の新マイクロコードでゲーミング性能が平均17.5%向上?
Intelが2024年11月に発売したデスクトップ向けCPUのArrow Lake-S世代、Core Ultra 200Sシリーズについてアーキテクチャー刷新による電力効率の向上などが図られている一方で、ゲーミング性能を中心に先代のRaptor Lake Refreshに対して性能が劣っていた他、競合のAMD Ryzen 7 7800X3Dや9800X3Dに対しては20%近く劣るなど競争力が全くない状態になっています。
そのため、Intelは2024年12月にCore Ultra 200Sシリーズの最適化不足を認め、1月中に新しいマイクロコードを通じてゲーミング性能を引き上げることを明らかにしていましたがCES 2025にてこの新しいマイクロコードを反映したBIOSを適用した場合のパフォーマンス向上幅について明らかにしました。
この新しいマイクロコードを適用したBIOSについては2025年1月7日から各社マザーボードメーカーに配布されているため、近いうちにユーザー向けにBIOSアップデートが提供される見込みですが、Intelによると同BIOSアップデートを適用することで大幅な性能向上が見込めることを明らかにしています。
具体的には、Assain’s Creed : Mirageは7%、Cyberpunk 2077、DOTA 2、Far Cry 6などでは16~26%のゲーミング性能向上が期待できるとのことです。この性能向上幅が事実であれば、Cyberpunk 2077やFar Cry 6ではCore i9-12900K相当の性能から一気にRyzen 9 7950X3Dに迫る性能にまで向上するなど見違える性能になっています。
一般的なベンチマークソフトでの性能も大きく向上しているようで、Cinebench 2024のシングルスレッドでは52%、3DMark TimeSpyの総合スコアは97%向上し、CPUスコアも10%向上するとのことです。ただ、このあたりの値についてはあまりにも向上率が高いため、過度な最適化なども行われている可能性があります。
さらに、ゲーミング性能で足を引っ張っていると言われていたメモリーレイテンシも改善しているとのことで、Core Ultra 200Sシリーズ発売時に対して30%低減しているとのことです。Core Ultra 9 285Kのレビューではこのレイテンシは約85~88nsでしたが、30%低減すれば60ns台となりCore i9-14900Kと同等レベルに達します。
Intelが発表したCore Ultra 200Sシリーズの性能改善については当初は1桁%程度の向上に留まることを明らかにしていましたが、最終的には15~20%近い向上が見られるようですが、これがいいとこ取りされた結果なのか、実際にこれだけ高いゲーミング性能が期待できるのかについては改めてレビューされる機会を待つ必要があると言えそうです。
幸い、まもなくRyzen 9 9950X3DやRyzen 9 9900X3Dも発売されるため、このタイミングで性能が大きく向上していれば話題にも上がると考えられます。そのため、どれだけ性能が上がり、Core Ultra 200Sシリーズが競争力を取り戻すことが出来るのか注目が集まりそうです。
Anshel Sag | X (Twitter)
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