Intelが Core Ultra 200S のゲーミング性能改善を12月に予定。最適化不足を認める
Intelが2024年10月25日に発売したデスクトップ向けCPUであるArrow Lake-S世代のCore Ultra 200Sシリーズでは、新アーキテクチャーを採用することでゲーミング性能の大幅向上が期待されていました。しかし、発売後のレビューでは電力効率は向上しているものの、先代のCore i9-14900Kに対してゲーミング性能が劣るなど、評価は芳しくありません。
そのため、発売後の売行きは絶不調で、海外の量販店では発売1週間でわずか10個程度しか売れていないことが明らかになっています。Intelは期待を下回る性能について最適化不足を認め、遅くとも12月までにはパフォーマンスを向上させる修正を加えることを発表しました。
HotHardwareとのライブストリームに参加したIntelのRobert Hallock氏は、Core Ultra 200Sシリーズの低いパフォーマンスについて、Intel内部のテスト結果と市場でのレビュー結果が合致していないと述べています。特定のBIOSおよびOSの設定との組み合わせにより性能低下が引き起こされるなど、最適化に問題があることを明らかにしました。
そのため、Intelでは2024年11月末または12月初めまでにパフォーマンスを修正するパッチなどを配信する予定で、市場の期待を下回る性能を改善することを表明しています。
メモリ遅延は原因ではない。抜本原因は調査中
ゲーミング性能が非常に低い現象について、レビューでは180nsに迫るメモリレイテンシが原因ではないかと指摘されており、このレイテンシの高さはArrow Lakeから導入されたタイルアーキテクチャーなどの構造的な問題によるものではないかと推察されていました。しかし、Hallock氏によると、メモリレイテンシはIntelの想定である70~80ns程度を予測しており、タイルアーキテクチャーの変更が原因ではありません。また、ゲーミング性能の低下はメモリレイテンシだけが原因ではないことを明らかにしています。
ただし、抜本的な原因についてはまだ調査中とのことで、Intelは発売時に何が問題だったのかを大規模に調査し、Core Ultra 200Sシリーズの発売までの対応に失敗したことを認め、対応策を策定しているとのことです。
Core Ultra 200SシリーズのライバルであるRyzen 7 9800X3Dは2024年11月7日に発売されており、ゲーミング性能は期待通りの高さを実現しています。Ryzen 7 9800X3DはCore Ultra 9 285Kに対して約35%の性能差をつけているため、Intelが早急にCore Ultra 200Sシリーズの性能を修正しなければ、Alder LakeなどIntelプラットフォームを使用していたユーザーがAMDのソケットAM5に移行する可能性があります。これにより、Intelの市場シェアが大きく低下する恐れがあるため、Core Ultra 200Sシリーズの性能改善は急務と言えます。消費者の期待に応えられる性能にまで向上させることができるのか、今後の進展に注目が集まっています。
Intel’s Hallock On Arrow Lake Core Ultra 200S Processor Performance Fixes | HotHardware
コメント
コメント一覧 (3件)
AMDもIntelも競うがあまり最適化しないで発売してるけど、どっちももう少し落ち着いて欲しいね
大半の一般ユーザーはBIOSのアップデートとか簡単にできるわけじゃないんだから
発熱と消費電力少ないからちゃんとCPU機能させたら伸び代はかなりあると思う
BIOSやマイクロコードの改変は必須やね
IntelがないとAMD一強になり値段が殿様商売始まるから頑張ってほしい
う〜ん 今更最適化してゲーミング性能追いついても遅い気が
14世代の劣化する不具合も含めて
IntelCPUは発売直後は買うべきじゃないってイメージついてしまったのは
かなりのマイナスだの