Core Ultra 200S の新BIOSでは性能が4%しか向上せず。CESで発表した18%向上には遠く及ばず
Intelが2024年10月に発売したArrow Lake-S世代のCore Ultra 200Sシリーズでは製造プロセスやアーキテクチャーの刷新により先代のRaptor Lake Refreshに対して大幅な性能や電力効率の向上が期待されていました。しかし、発売後のレビューでは先代モデルに対して電力効率は向上しているものの、コンシューマー向けCPUとして重要視されているゲーミング性能は先代モデルよりも劣り、評価や売り上げも芳しくない状況になっていました。
そのため、Intelでは特にゲーミング性能の抜本的な改善を行うことを2024年末に明らかにし、CES 2025では新しいマイクロコードとBIOSを適用することでゲーミング性能が18%向上することを明らかにしていましたが、この新しい改善を適用してもTom’s Hardwareが行った調査によると大幅な性能向上は見られなかったことを明らかにしています。
Tom’s Hardwareが13のタイトルで発売時のBIOSとWindows 11バージョンを適用した状態に対して、新たに公開されたBIOSやWindows 11パッチを適用した状態での比較を行っていますが、ベストケースシナリオとなるMSIマザーボードでは3.7%の向上を記録するなど僅かながら性能が上がっていますが、IntelがCESで発表したスライドに示されていた平均18.5%もの性能向上には遠く及ばないことが明らかになっています。
競合や先代モデルに対する差も顕著に開いている状態で、Ryzen 7 9800X3Dに対しては新BIOSを適用しても28%劣っています。また、先代のCore i9-14900Kに関してはここ最近のWindows 11のアップデートにより従来よりも7%ほど性能向上しており、Core Ultra 9 285Kに対して14%ほど優れることが明らかになっています。
Cinebench 2024や動画エンコードなど生産性タスクに関してはCore Ultra 9 285Kは比較的高いスコアを示していましたが、今回のアップデートにより性能が上がったり下がったりするということは無く、Intelも主にゲーミング性能に焦点を当てた変更を行ったと見られています。しかし、その性能向上幅は依然として競合を大きく下回っています。特に、Core Ultra 9 285Kなどのハイエンドモデルは少なくともゲーミング用途では競争力が先代のRaptor Lake Refresh世代のCore i9-14900KやAMDのRyzen 7 7800X3DやRyzen 7 9800X3Dに対して大きく劣った状態のままで、コンシューマー向け用途では依然として競争力がない状態が続くと見られています。
Intelは今後もCore Ultra 200Sシリーズの性能改善に取り組むことは考えられますが、それでも爆発的にゲーミング性能が向上することも期待できません。そのため、早くても2025年末に投入されるPanther Lake-S、遅いと2026年投入のNova Lake-S投入までゲーミング用途の場合はAMD、一強状態となり競合不在による価格高騰や性能の停滞、品薄などが懸念されると言えます。
Intel’s Arrow Lake fix doesn’t ‘fix’ overall gaming performance or match the company’s bad marketing claims – Core Ultra 200S still trails AMD and previous-gen chips | Tom’s Hardware
コメント
コメント一覧 (3件)
4%程度ならソフトウェア側の最適化で出せる数値でもあるのでハードウェア側の性能が頭打ちになってる可能性もあるな。
Pコアを一つに絞った方がフレームレート跳ね上がる現象があるし
ハード性能が頭打ちってことはないと思うぞ
単純に最適化不足
これから日本から頭打ちの技術のブレイク・スルーが始まり、世界を席巻してほしい。
韓国や中国に技術や技術職員を取られないようにして。
但し、米国にはうまく立ち回ってほしい。
基本特許等で圧力をかけてくるので
変に特許申請したら前述の国は少し前に同様の特許が出されてしまいます。