Intel Arrow Lake Refreshの情報出現。変更点はNPU刷新と動作クロック向上など小さめに
Intelは2024年秋以降に次世代デスクトップ向けCPUとしてArrow Lakeの投入を予定していますが、2025年秋以降には後継モデルとしてArrow Lake Refreshを投入すると言われています。今回はそのArrow Lake Refreshに関する一部仕様の情報が登場しましたが、予想以上に小規模な変更しか入らないようです。
Intelは2024年秋以降にArrow Lakeを投入し、2025年下半期にはPanther Lakeと呼ばれるCPUを開発中です。このPanther LakeはTDP 17~30WのノートPC向けにのみ投入予定で、デスクトップ向けにはArrow Lake Refreshが投入されます。
Arrow Lake Refreshでは、過去のリークではコア数を増やす予定で、8P+32E構成のCPUが投入されると言われていました。しかし、このモデルはRing Busなどのレイテンシーや帯域幅の問題に加え、コストが非常に高くなることから開発が中止されたようです。この判断には技術的な問題に加え、競合のAMDがコンシューマー向け製品でコア数を現行の16コアから増やす見込みがないことも影響しています。
そのため、コア数が増えるという最大の特徴を失ったArrow Lake Refreshでは、2023年に発売されたRaptor Lake Refreshのようにブースト時の動作クロックが上がるといった大きなパフォーマンス向上は期待できません。唯一の大きな違いは、Lunar Lakeなどで使用されている新しいNPUを搭載することで、Copilot+に対応することぐらいになるようです。
幸い、2025年はAMDがRyzen 9000シリーズのバリエーション追加や内蔵GPU性能が高いStrix Haloの投入に留まると見られているため、Arrow Lake Refreshで性能を大きく上げなくてもNPU性能向上によるCopilot+対応で差をつけることができます。しかし、2024年末に登場するArrow LakeやAMDのRyzen 9000X3Dシリーズの出来栄え次第では、動作クロック向上とNPU追加だけのArrow Lake Refreshでは対抗できない可能性もあるため、仮にそうなれば2年間は厳しい戦いを強いられることになります。
IntelのArrow Lake Refreshでは8P+32E構成のCPUが投入されると噂されており、E-Coreで使われているSkymontアーキテクチャーの性能が非常に高いことも相まって高いパフォーマンスが期待されていましたが、残念ながらこのCPUの投入は中止のようです。この中止により、AMDもおそらくコンシューマー向け製品では16コアを最上位に据え置くことになると考えられ、Intel、AMD両社から現行モデル以上に多コア化したCPUはしばらく登場しないと言えます。
Intel Arrow Lake FULL Leak: 8+32 Cancelled, Desktop IPC, MTL-R, Panther Lake Performance | Moore’s Law is Dead Youtube
補足情報
IntelのArrow Lake Refreshは2025年後半にリリース予定のデスクトップ向けCore UltraシリーズCPUで、Arrow Lakeでは欠けていた高性能NPUが搭載されることで、Copilot+などNPUが必要な処理も対応可能になると言われています。
製品ジャンル | メーカー | 製品名 | 発売予定時期 |
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CPU | Intel | Intel Core Ultra 300 (Arrow Lake Refresh) | 2025年後半 |
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