Arrow Lake-Sの価格は高めになる可能性。価格競争力は低めで性能だけが売りに?

  • URLをコピーしました!
目次

Intel Arrow Lake-Sの製造コストはかなり高めになる可能性。価格競争力は低い見込みで性能が相当高くないとAMDに苦戦する可能性も?

Intelが2024年秋以降に発売を予定しているArrow Lakeでは、Meteor Lakeなどで採用されているタイルアーキテクチャを採用するほか、CPUダイには最新鋭のアーキテクチャとプロセスが使われる計画です。これによりCPUの性能は大きく向上すると見られていますが、その反面、コストが非常に高くなる可能性があり、価格的にAMDのRyzen 9000シリーズに対する競争力はあまり高くない可能性があります。

Intelが開発中のArrow Lake-Sでは、CPU本体のCompute Tile、NPU、メモリーコントローラーなどをまとめたSoC Tile、内蔵GPUのGPU Tileなど複数のタイル(ダイ)を1つにパッケージングして構成されています。ただ、Kopite7kimi氏やHXL氏によると、Compute TileはTSMCの3nm系N3Bプロセス、SoC TileはTSMCの6nmプロセス、そしてGPU TileにはTSMCの5nmプロセスが使われる予定です。

Compute Tileに使われるTSMCのN3Bプロセスは3nm系の初代プロセスで、歩留まりが低くコストも高いと言われています。そのため、AMDやApple、Qualcommなどはより歩留まりと性能、コスト競争力に優れるN3Eプロセスを採用する動きを見せています。

Arrow Lakeではコスト的に高いTSMCのN3Bを使っていることに加え、他のタイルも自社で作るより柔軟性が低くコストが高い外部ファウンドリー(TSMC)での製造を余儀なくされています。さらに、FOVEROSパッケージングと呼ばれる先進的な技術も採用しているため、結果的にAMDのRyzen 9000シリーズなどに採用されているZen 5に比べて価格競争力は相当低い可能性があります。

実際に競合のRyzen 9000シリーズでは、CPUを内蔵するCCDはTSMCの5nm系の進化系でマスク枚数などを減らしコスト削減と高性能化を行っているN4Pプロセスが採用され、I/Oダイは6nmを採用しています。また、高度なパッケージング技術も採用していないため、製造コストは少なくともIntel Arrow Lake-Sよりは低いと見られています。

ただし、Intelではミドルレンジモデル向けの6P+8E構成のCPUではCompute TileをIntel 20Aで作る計画があるため、ハイエンドモデルではRyzen 9000シリーズやRyzen 9000X3Dより販売価格は高めになる可能性がありますが、Ryzen 5系と競合するCore Ultra 5の無印モデルについては同じぐらいの価格での販売が期待でき、ある程度の価格競争力を確保できる可能性があります。

コメント

IntelではAMDに性能や電力効率面での差を埋めるために遅れていた先進プロセスの採用を進めたものの、8P+16EのCPUではTSMC 3nmを使うなどコスト面ではかなり厳しいと言えそうです。また、FOVERONと呼ばれる新しいパッケージング技術も採用するなど技術的には野心的で、面白いCPUであることは間違いありませんが、一般消費者が気にするコストパフォーマンスと言う観点では低くても驚きはないと言えます。そのため、Arrow LakeがAMDのRyzen 9000系に対して競争力を発揮するには相当高い性能が求められると言えるので今後のベンチマークなど注目です。

なお、Core Ultra 5では自社ファウンドリーでCompute Tileは作られるためIntel 20Aの歩留まり次第ですが上手くいけばRaptor Lakeなどと同じくAMDより優れたコストパフォーマンスの製品が出せるかもしれません。

ソース
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
プロフィールはこちら

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 今の所マルチ性能とCopilot使える以外で有利な面も多くなさそうだし
    Zen5がコストや電力、発熱面も含めて総合的に競争力を高めてる中でパフォーマンスもまっとうに向上してそうな結果を見てると相当厳しい戦いになるのではって感じですね
    今は気分的にインテルを避けたくなってる人もそれなりにいそうだしゲーミング用途でも早くに出てくる予定のX3Dとかち合うとなれば苦戦は免れないでしょう

コメントする

目次