Apple新型MacBook Pro搭載のM3 Proの性能が判明。M2 proに比べて大きな性能向上にはならず。
Appleは2023年10月31日に開催されたイベントで、TSMCの3nmプロセスを採用したApple M3 SoCシリーズを発表しました。このApple M3シリーズを搭載するモデルはMacBook Pro 14/16inchモデルとiMacとなっています。このM3シリーズについては既にベースグレードのM3やは最上位グレードのM3 Maxのベンチマークは明らかになっていますが、今回プロシューマーやエンタープライズ向けでの使用を想定したM3 Pro搭載のMacBook Pro 14inchで計測されたGeekbench 6の結果が登録され、M3 Proの性能が明らかになっています。
Mac15,6 (Apple M3 Pro搭載MacBook Proのベンチマーク) – Geekbench
M3 ProではP-CoreとE-Coreをそれぞれ6コア搭載した合計12コアのCPUになっており、動作クロックはM3と同じく最大4.05 GHzに設定されています。このコア構成は先代のM2 ProのP-Coreを8コアとE-Coreを4コアから変更されており、性能よりも省電力性能を取った構成になっています。
Geekbench 6の結果はシングルコアが3035ポイント、マルチコアが15173ポイントを記録しています。
この結果を先代のM2 Proと比べるとシングルコアは14%と大きく向上していますが、動作クロックがM2 Proは3.5 GHzからM3 Proでは4.05 GHzと約14%向上しているため性能向上の決め手は動作クロックでアーキテクチャー面ではほとんどM2 Proから変わらない可能性がありそうです。
マルチコアについてはM2 Proの14229ポイントに比べて6%の向上に留まっており、P-Coreを2コア減らした事でCPU全体の性能は伸び悩む結果になっています。
今回のM3 Proのベンチマーク結果で、M3シリーズすべてのベンチマークが揃った事になりますが、先代のSoCとマルチコア性能を比べるとM2からM3では最大20%、M2 MaxからM3 Maxでは最大45%と1世代で性能が全く異なる次元に到達していますが、M2 ProからM3 Proだけ6%と性能の向上幅は小さくなってしまっています。
ちなみに、M3 ProのマルチコアスコアはTDP 28Wで動作するSnapdragon X Eliteの14029ポイントに対して8%は上回っているのですが、Snapdragon 8cx Gen 3の時と比べるとAppleとの差は明らかに縮まっているため、Apple M4シリーズなどではCPUアーキテクチャーの刷新などを取り入れなければQualcomm製SoCと差がほとんど無くなってしまう事が予想されます。
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