NVIDIAのAI向けGPUAmpere A800やHopper H800が1枚1000万円で取引される。
生成AIに必要不可欠となっているGPUですが、近年Microsoftが買収し、ChatGPTで有名なOpenAIなどが数万台のGPUを購入しているほか、中国のAlibabaやTikTokで有名なBytedanceもNVIDIA製のAI用GPUを数万台購入しています。
このように生成AIで人気のAmpere A100やHopper H100などの需要は世界的に伸びており、納期は1年程度となったり、本来であれば1枚300万円程度のHopper H100の供給価格が上がっていますが、中国ではAmpere A100やHopper H100に対して性能が制限されたAmpere A800やHopper H800が信じられない価格で取引されているようです。
NVIDIA AI显卡炒作到50万元:国内想买还得看跟黄仁勋关系 | MyDriver
上述の通り、中国ではAlibabaやByteDanceなどが自社でAI開発を行うために数百億円規模のNVIDIA製GPUの購入を行っていますが、中国市場においてはこのような大手以外にも生成AIブームに乗るためにベンチャーや研究機関などが挙って中国市場向けのAmpere A800やHopper H800を求めており、取引価格は1枚あたり約50万元、日本円で約1000万円に高騰しているようです。
この取引価格は供給に対して需要が非常に高いことが要因ですが、クライアントとNVIDIAの関係性も取引価格の設定に重要になっているとのことです。MyDriversによると、NVIDIA製のAI向けGPUを大量にかつ安価に仕入れるにはNVIDIAのCEOであるJensen Huang氏との関係性の深さも非常に重要な要素となっているようです。
なお、NVIDIAがこのような取引形態を行える理由としては、生成AI向けのGPUにおいてNVIDIAが業界を独占しており、競争相手が存在していないからと言えます。そのため、AI開発を行う企業はNVIDIAに頼らざるを得ず、これによりNVIDIAは優位な立場を得ています。
しかし、この独占的な地位を基に築かれた「バブル」はいつ破裂するかわからないものにもなっています。例えばアメリカではNVIDIAを視野に中国向けにAmpere A800やHopper H800などのGPUについてもライセンス制の投入を検討している他、中国市場でNVIDIA製のGPUの納期が延びていることを背景にIntelがGaudi2 AIアクセラレーターの導入を進めるなどライバルの動きもあります。また、そもそも生成AIに関してブームが去ってしまうことも考えられるため、NVIDIAがこのようなバブルに便乗して大量の収益をあげるモデルは持続はできないものと見られています。
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