AMD X670マザーボードではSSD搭載位置によって速度が変わる模様

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AMDのRyzen 7000シリーズに対応するX670マザーボードではチップセットを2つ搭載しそれらをデイジーチェーンすることで多くのPCIeレーン数に対応するなど高い拡張性を有していますが、この構造が原因でSSDの搭載位置によって速度に影響が出る場合があるようです。

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X670ではSSDの搭載位置に注意。2つ目のチップセットに繋がれたSSDはパフォーマンスが4%低下

Dual 7000 combination: Zhistate TiPro7000 hands-on Ryzen 7000 test _PCEVA, PC absolute field, explore real computer knowledge

AMDのRyzen 7000シリーズの発売と同時に登場したX670マザーボードでは多くのPCIeレーンを備えていますが、これは2つのチップセットをデイジーチェーンすることで実現しています。

しかし、デイジーチェーンをするとチップセットをまたぐ分、レイテンシーが増えパフォーマンスが落ちる事が想定されますが実際に、このパフォーマンスの低下について中国のPCEVAが検証をしています。

AMD X670マザーボードの構成について

X670マザーボードではPromontory 21と呼ばれるチップセットを2つ搭載しており、CPUからPCIe Gen 4 x4接続されるチップセットとこのチップセットから更にPCIe Gen 4 x4でデイジーチェーン接続されたチップセットを持つ構成になっています。

この設計はIntelのZ690やZ790などハイエンドマザーボードとは大きく異なっており、大きなメリットとしてはチップセットを下位モデルのB650と共通化する事でコストを抑えながらB650よりも多くの拡張性を提供することができます。しかし、デメリットはユーザー目線からすると複雑さが増しています。例えば、マザーボード上のM.2 スロットに関してはCPU、チップセット1、チップセット2など3つのソースから供給されるようになっています。

一般的に、M.2 スロットが複数存在する場合はCPUに最も近いスロットが高速で、そのほかは若干速度が落ちるという特性を持っていますが、X670マザーボードではどのチップセットを経由しているかによっても速度が変わる性質があるようです。

デイジーチェーンされたチップセット側は遅延が4%発生。パフォーマンスは若干低下

PCEVAでは読み込み7400MB/s、書き込み6700MB/sの速度を持つNVMe SSD、TiPro7000 2TBを利用してX670に搭載されているM.2 スロット毎の速度を計測しています。

まず、CPUに直接接続されたM.2スロットでは読み込み7466MB/s、書き込み6769MB/sとSSDが持つ性能をフルに発揮できている結果になっています。

CPUから1番目のチップセットに接続されたM.2スロットでは読み込み、書き込み共にCPUと直接接続されたM.2スロットより約10%程度の速度低下がみられます。ただ、レイテンシー面では書き込みでは微増が見られるもののCPU直接接続時と大きくは変わらない状態になっています。

CPUから一番遠く、チップセットにデイジーチェーンされたチップセットに接続されたM.2スロットでは読み込み、書き込み速度自体はデイジーチェーンされていないチップセットと大きく変わらない性能になっています。しかし、レイテンシーは約4%増えており、その分IOPSなどのパフォーマンスが低下が見られています。

PCMark 10のストレージベンチマークにおいてもCPUと直接接続された場合に比べて1つめのチップセットを介したM.2スロットでは4%、デイジーチェーンされたチップセットでは約6%のスコア低下が見られるなどM.2スロットが繋がっているチップセットによってパフォーマンスが変わる事が明確になっています。

 

高性能なNVMe SSDを使う際はIntel製マザーボードでもAMD製マザーボードでもCPUに直結されるスロットを利用する事が推奨されていますが、X670などチップセットを複数搭載するマザーボードにおいては、M.2スロットがどのチップセットに接続されているのか含めて考える必要があるので、X670を使っているユーザーで説明書を読むなりしてNVMe SSDの搭載位置を考える必要がありそうです。

あと今回の記事では触れられていませんが、イーサネットやWiFiなどがデイジーチェーンされたチップセットに搭載されているため、2.5Gbit相当で1つ目のチップセットに接続されたNVMe SSDにファイルをダウンロードするなどの場合にパフォーマンスがどれだけ変わるのかなど気になる所ですが、この点については今後明らかになるかもしれません。

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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コメント

コメント一覧 (5件)

  • ベンチで差がでるけど、体感はできないだろうな。

  • コストとのトレードオフだから仕方ない。
    問題は実際のコストが安くなってないこと…

  • SSDやGPUを大量に増やしたければx5をx4x2に分割するブリッジを作ってチップセット直のレーンに入れるのが正解だろう。コストがなら650とx4のスイッチでもいい。
    低速I/O用のチップセットに大量のSSDをぶら下げるのは筋が悪い。

  • そんな些事よりも
    USBコケたらLANもシステムも停止するのをなんとかして欲しい
    チップセットのバージョンアップでかなり改善されたけど
    相性が悪い機器は何やってもダメとか、起動時に認識してたらダメとかある
    USB機器購入が毎回ギャンブルになるのは勘弁願いたい

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