AMD Strix PointをRyzen AI 300シリーズに変更へ。Intel Core Ultra 200シリーズより大きな数字にしたいから?
AMDは2024年6月開催のComputex 2024でZen 5アーキテクチャーを採用するデスクトップ向けCPUとノートPC向けAPUのStrix Pointを発表すると見られています。この2つの製品の内、ノートPC向けAPUのStrix Pointについては今まで採用されていた4桁のモデルナンバーがRyzen AI HX 100シリーズに変更されると噂されていましたが、再びこのモデルナンバーを変更するというリークが登場しました。
Bilibiliで活動するリーカーの金猪升级包によると、AMDがStrix Pointで予定している100シリーズはIntelが同じタイミングで投入するCore Ultra 200シリーズに対してネーミング面で劣る事を恐れているとのことです。そのため、AMDではStrix PointをRyzen AI 9 HX 370などRyzen AI 300シリーズとして投入する方針に変更したようです。この300と言う数字に意味を持たせるとするとNPUの世代が第3世代だからとのことです。
Intelは2023年末に投入したMeteor Lake世代から従来まで使われていたCore iブランドを廃止し、Core Ultra 100シリーズとして投入しています。そのため、2024年に投入されるArrow LakeとLunar LakeはIntel Core Ultra 200シリーズとしてラインアップされる予定になっています。ただ、AMDは当初、Ryzen AIの第一世代としてHX 100シリーズを投入予定でしたが、Core Ultra 200シリーズより劣るように見える数字は使いたくないという意味不明なマーケティング戦略によりRyzen AI 300シリーズに変更が加えられたようです。
この300シリーズの意味は第3世代NPUを搭載しているからとのことですが、Ryzen AI 300シリーズに搭載されるNPUのXDNA2は名前の通りNPU第2世代品になっています。
ただ、ここではAMDはRyzen 7040とRyzen 8040に搭載されているXDNAをそれぞれ1世代進んだとカウントしています。Ryzen 7040のXDNAに対してRyzen 8040のXDNAは動作クロックを向上させたことでNPU性能が10 TOPsから16 TOPsに向上していますが基本的にこれを1世代進んだと無理やりカウントしているようです。このRyzen 7040とRyzen 8040でNPUの世代が2つ進んだことで、3世代目のNPUであるXDNA2を搭載するモデルはRyzen AI 300シリーズとして成立するようです。
一応、NPU世代がベースにモデルナンバーが決められていますが、今後はNPU性能も重視されるポイントになっているため、CPUアーキテクチャー刷新と同時にNPUも刷新されると考えられます。そのため、新CPU/NPUアーキテクチャー投入と同時にモデルナンバーが上がるため消費者としてはAMD製品の中で数字が大きいモデルを買えば最新モデルが手に入れられる事になり、今までの登場年で数字が変わるモデルナンバーよりは明確化されていると言えます。
モデルナンバーの数字が劣っているのを嫌ってRyzen AI 100から300シリーズに改名するのは馬鹿げた判断の様にも思えますが、ノートPCを購入する層の多くがPCハードウェアに詳しくない事を鑑みるととりあえずでかい数字にしておくという考え方は間違ってもないかもしれません。ただ、それなら単純に現行のモデルナンバーのRyzen 9050とかにしておけばよかった気もしますね。。。
金猪升级包 | Bilibili
補足情報
Strix PointはAMDが2024年下半期に投入を予定しているAPUで、CPUにZen 5を最大12コア、内蔵GPUにはRDNA3+を採用し、最大16基のCompute Unitを搭載する事で高いグラフィクス性能を実現したノートPC向けAPUになっています。
発表は2024年6月開催のComputex 2024で行われると予想されています。
製品ジャンル | メーカー | 製品名 | 発売予定時期 |
---|---|---|---|
APU | AMD | Strix Point (Ryzen AI 300シリーズ) | 2024年下半期 |
コメント
コメント一覧 (2件)
まあモデルナンバーで素人を釣る作戦なんて、それこそ人類が・・・
Athlon xxxx+ は、Intel PentiumⅣ xxxx[Mhz] と・・・おや、こんな遅くに誰かが来たようだ。
誰だろう。
>>劣るように見える数字は使いたくないという意味不明なマーケティング戦略により
AMDは、過去の経験で痛い目に合ってるからこういう事に敏感なんじゃないかな。
過去にはPレート(Pentium◯◯相当)なんて数値をわざわざ付けていたりしてたからね。
まあ、オフィスソフトを使う限りにおいては、全体(PC+ソフト)を安く揃える事ができてそれなりに使えたからよかったけどね。
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https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970114/amd.htm