AMD Ryzen 9 AI HX 370のGPUベンチマーク登場。遂にデスクトップ向けGTX 1650を超える

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AMD Ryzen 9 AI HX 370のGPUベンチマークが登場。デスクトップ向けGeForce GTX 1650を超える

AMDがComputex 2024で発表したRyzen AI 300シリーズではZen 5に刷新されたCPUに加え、内蔵GPUがRDNA3.5アーキテクチャーにアップグレードし、GPUコアも最大12コアから16コアに増えた事で、先代のRyzen 8040シリーズに対して大幅な性能向上が期待されています。

ただ、Computex 2024ではゲームのデモは行われず、本当の性能は明らかではありませんでしたが、今回GeekbenchのOpenCLベンチマークの結果が登場し、Ryzen 9 AI HX 370のおおまかなGPU性能が明らかになりました。

Ryzen 9 AI HX 370に内蔵されるGPUはRDNA3.5アーキテクチャーで構成されたRadeon 890M GPUです。このGPUは最大16基のCompute Unitを備え、動作クロックはブースト時は最大2.9 GHzで動作する設定になっています。今回登場したGeekbench 6上ではRadeon 880Mと記載されていますが、AMDは発表直前にRyzen 9 AI HX 370搭載GPUの最上位モデルをRadeon 880MからRadeon 890Mに変更しています。

そんなRyzen 9 AI HX 370内蔵のRadeon 890M GPUはGeekbench 6のOpenCLベンチマークで41995ポイントを記録しています。

GPU
OpenCL
GeForce GTX 1650 Ti (デスクトップ)44561
Radeon RX 480 (デスクトップ)42732
Radeon 890M (Ryzen 9 AI HX 370)41995
GeForce GTX 1650 Ti Max-Q (ノートPC)41045
GeForce GTX 1650 (デスクトップ)39682
Radeon 780M (Ryzen 8040シリーズ)30151
Radeon 680M (Ryzen 6000シリーズ)26276

今回のGeekbench 6のスコアはOpenCLで計測されたもので、ゲーミング時の性能に直結するものではないことに留意する必要がありますが、他のGPUと比較するとRadeon 890MはノートPC向けディスクリートGPUのGeForce GTX 1650 Ti Max-Qと同等性能を発揮しています。

このGeForce GTX 1650 Ti Max-QではGPU単体のTDPが50Wに設定されていますが、Ryzen 9 AI HX 370はCPU含めたTDPが最大54Wに設定されています。そのため、全体的な電力効率ではRyzen 9 AI HX 370が優れる結果になっています。

さらにRadeon 890Mはデスクトップ向けGPUとも競える性能を持っているようで、デスクトップ向けエントリーGPUのGeForce GTX 1650に対して約6%上回るスコアを記録しています。また、AMD Radeon RX 480に対しては約2%、GeForce GTX 1650 Tiに対しては約6%下回るスコアではありますが、近いところに迫るスコアを記録しています。

このRadeon 890Mのゲーミングパフォーマンスはメインメモリーの速さも重要となるのですが、GPU単体で見た性能はエントリーレベルのデスクトップGPUを超えるような性能を持っています。そのため、近い将来ノートPCからはエントリーレベルのディスクリートGPUは消え去るほか、より強力なGPUを備えるStrix Haloがデスクトップ向けにも投入される事になればGeForce RTX 3050などノートPC、デスクトップ向け問わずエントリーレベルのディスクリートGPUは存在意義を失う可能性がありそうです。

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Ryzen AI 300シリーズではRDNA3.5に加え、Compute Unitの数も最大12コアから16コアに増えているため大幅なグラフィックス性能の向上が記録されています。今回はOpenCLスコアではありますが、デスクトップ向けのGeForce GTX 1650を超え、GTX 1650 Tiにも迫る性能を発揮していることからApex Legendsなどそこそこ負荷がかかるゲームでもフルHD高画質設定でも60fps超えでの動作が実現できると言え、ノートPC向けAPUとしては革新的な製品になりそうです。

今後、AMDでは2025年初旬にグラフィックス性能をさらに高めたStrix Halo APUも投入予定であるため、今後ディスクリートGPUはミドルレンジクラス以上の性能を持つモデル以外は淘汰されていく可能性がある一方で、ノートPCやハンドヘルド型デバイスでは高度なグラフィクスを使ったゲームも快適にプレイ可能になるなどAPUは目が離せないジャンルとなりそうです。

ソース

ASUSTeK COMPUTER INC. ProArt P16 | Geekbench OpenCL

https://browser.geekbench.com/v6/compute/2297238

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『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
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