AMDでは2022年11月3日にRDNA3アーキテクチャーを搭載する次世代GPUであるRadeon RX 7000シリーズの発表を行うようですが、このRadeon RX 7000シリーズではNVIDIAなどが採用し始めている新しい電源コネクター、12VHPWRをAIB製モデル含めて採用しないようです。
Radeon RX 7000シリーズと炎上中の12VHPWR電源
AMDでは現行のRDNA 2アーキテクチャーから刷新を図ったRDNA3アーキテクチャーの開発を進めており2022年11月3日にRDNA3アーキテクチャーを搭載したRadeon RX 7000シリーズに関して何かしらの発表が行われる予定です。
このRDNA3アーキテクチャーを採用したGPUにはハイエンドモデルに採用されるNavi 31とNavi 32にはコンシューマー向けGPUとしては初めてチップレットを採用すると見られており、パフォーマンスが大きく向上すると見られていますが、消費電力については大幅に上がらないようでNVIDIAが採用し始めている12VHPWRを採用しない可能性がリークとして出現しています。
12VHPWRについては現行のGPUで採用されているPCIe 8pin電源に代わる新しい電源コネクターとして登場し、PCIe 8pin電源では1口に150Wだったものを、1口で600Wまで供給を可能にしています。また、電源コネクターのサイズを縮小する事で取り回しやすさを上げているのですが、最近では12VHPWRを搭載したGeForce RTX 4090が溶損する事例が出現するなど若干炎上気味の電源コネクターになっています。
関連記事①:PCIe Gen5電源『12VHPWR』の詳細判明。対応には電源ユニット買い替え必須
関連記事②:折り曲げ厳禁? GeForce RTX 4090の電源コネクターが溶損する事例出現
Radeon RX 7000シリーズでは従来通り8pin電源を複数個搭載へ。12VHPWRは不採用
元Intelの社員で、半導体業界に詳しいKyle Bennett氏によるとAMDではRadeon RX 7000シリーズの最上位モデルであるNavi 31搭載GPUについて新しい電源コネクターである『12VHPWR』を採用しないという情報を入手したとの事です。
After the @NVIDIAGeForce melting drama, I have verified through multiple sources that @Radeon Navi 31 ref cards will NOT use the 12VHPWR power adapter, and I could not verify any AIBs using 12VHPWR on N31 either. Picture in case you don’t know what a smoked 12VHPWR looks like. pic.twitter.com/hLWhjqSm4v
— Kyle Bennett (@KyleBennett) October 25, 2022
Kyle氏によると、AIB製モデルでもこの12VHPWRを採用するモデルは見当たらず12VHPWRを搭載したRadeon RX 7000シリーズが登場する可能性はほぼ無いとの事です。
このRadeon RX 7000シリーズの内、最上位モデルとなるNavi 31を搭載するGPUについては過去にIgor’s LABが基板のレイアウトをリークしていますが、このリークでも電源コネクターはPCIe8pinを3口搭載するというレイアウトになっていたため、今回のKyle氏のリークはこの情報を補強する形になっています。
12VHPWRはそもそも不要なぐらい省エネな可能性?
NVIDIAがGeForce RTX 4090などで12VHPWRを採用する理由としては、RTX 4090などではTDPが450W、ピーク時は600W近い消費電力を使い、従来のPCIe8pin電源では4口必要となるなどレイアウト上難しい事から採用していると見られています。
一方で、AMDのRadeon RX 7000シリーズについては電力効率が非常に高いためこの12VHPWR自体採用する必要が無い可能性がありそうです。
reference’s TBP is amazing.
— Greymon55 (@greymon55) October 19, 2022
Greymon55氏によると、Navi 31 GPUを搭載するサンプルはAIBなどへ出荷が開始されているようですがリファレンスモデルの消費電力は素晴らしいと呟いており、AMD自身もFAD2022にてRDNA3についてRDNA 2に対してワットパフォーマンスを1.5倍引き上げる事を目標に開発していると発表しています。そのため、AMD Radeon RX 7000シリーズについて追加で電源アダプターの同梱などコストがかかる12VHPWRを採用する可能性はかなり低いと言えそうです。
12VHPWRについては新しい規格であるため、電源ユニットがそのままでは対応できない例が多くRTX 4090に関しては8pinから12VHPWRに変換するアダプターが絶対に同梱されています。
この変換アダプタ―は製造側にとっては追加コストとなりますので、AMDとしては可能な限り採用したくないものと言えます。そのため、今回Radeon RX 7000シリーズでは12VHPWRを搭載しないというリークの信憑性と言うよりコストをメインに考えた時に正しい選択と言えますので実際に搭載しない可能性は高いと言えます。
また、最近ではRTX 4090の溶損の例もありますので個人的にも今までの8pinを複数口搭載する方向の方が良いと思いますね。
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