AMD 3D V-Cacheの一部情報が出現。開発は数年前から開始か

この記事は最終更新日から1年経過しています。掲載内容や情報が古い可能性があります。
  • URLをコピーしました!

AMDでは3D V-Cacheテクノロジーについて発表を行いましたが、今回その技術について一部情報が出現しました。

目次

AMDはZen 3には3D V-Cache用のスペースが用意されている

AMDではComputex 2021にて3D V-Cacheテクノロジーについて発表を行いました。この技術では、L3 Cacheの更に次レベルCacheをCCDの上に重ねて搭載。Ryzen 9 5900Xを利用したプロトタイプでは各CCDに96MB(L3 32MB + 3D V-Cache 64MB)、CPU合計で192MBのラストレベルCacheを搭載することで平均して約15%のゲーミングパフォーマンス向上が見られたとのことです。

そんなV-Cacheですが、AMDが2020年10月に発売したZen 3アーキテクチャー採用CPUでは既にこの新技術を搭載できるポイントが用意されています。これはAMDがこの3D V-CacheをZen 3とほぼ同時期に開始していることが推察され、少なくとも数年間はこのV-Cacheについて準備をしていたことになります。このAMDの最新技術について考察がTechInsightsのYuzo Fukuzawa氏のLinkedinにて記載されています。

V-Cacheによるキャッシュ容量増大は性能向上への寄与度が高い

Yuzo Fukuzawa氏のLinkedinのページ

Yuzo Fukuzawa氏によると、彼が入手したRyzen 9 5950Xを拡大してダイを確認してみると、複数点の接続ポイントが見つかったとのことです。また、同時に使われていないスペースも見つかっており、3D V-Cacheの搭載のために残されたスペースでは無いかと見られています。

3D V-Cacheの基礎となる技術はThrogh-Silicon Via (通称:TSV)と呼ばれる技術が採用されており、この技術では上に重ねられたチップに信号を送るのに使われているとのことです。また、このチップ間を結ぶ材質には通常の半田付けではなく、銅を使って接続されるためより高い帯域幅と放熱性能が発揮できるとのことです。

また、Yuzo Fukuzaki氏によるとこの3D V-CacheなどCacheは今後のCPU性能向上に重要な役割を果たすとのことです。

To cope with #memory_wall problem, cache memory design is matter. Please take the chart in image attached, Cache density trend over process nodes. In the best timing by economical reasons, 3D memory integration on Logic can contribute to have higher performance. See #IBM #Power chips have huge amount of cache and strong trend. They can do it because of high end server CPU. With #Chiplet CPU integration started by AMD, they can use #KGD (Known Good Die) to get rid of low yield concern with monolithic large scale die. This innovation has been expected at 2022 in #IRDS (International Roadmap Devices and Systems) More Moore and AMD will do it.

特にプロセスノードとキャッシュ密度を表したチャートではCPU世代が新しくなるにつれて徐々にキャッシュ密度が上がっていることが確認できます。特にIBM製のCPUではこの動きは顕著ですが、これはIBM製CPUは単価の高いハイエンドサーバーなどに向けた製品であるためこのようなキャッシュ密度の向上が大幅に行えるとのことです。一方で、コンシューマー向けCPUではこのようなコスト増大につながる動きはしにくいのですが、3D V-Cache技術ではChipletデザインも相まってコスト面を大きく犠牲にせず、性能向上が可能とのことです。

このV-Cacheについては、Zen 3採用のEPYCとThreadripperなどで採用される予定ですが、その次に登場予定となっているZen 4アーキテクチャーでもこの技術は採用される可能性があるかもしれません。

次世代Ryzen Threadripper X3Dなどの情報が出現

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
プロフィールはこちら

コメント

コメントする

目次