Intelでは2022年に第13世代CPUのRaptor Lakeを発売していますが、一世代古いCPUとなった第12世代のAlder LakeについてIntelは最大20%の値下げを計画しておりベンダーなどと価格交渉を開始した事が明らかになりました。
Intelが第12世代Alder Lakeを20%値下げへ。2023年1月に値上げしたばかりだが・・・
Intelについては2022年第4四半期決算にてコンシューマー向けPC事業の売上高が前年同期比で36%減少し、営業利益は82%減少したという発表を行いました。
この大幅な減収減益の背景には、AMDとのシェア争いに勝つために第12世代CPUのAlder Lakeや第13世代のRaptor LakeをOEMや量販店などに大量供給したと言われていますが結果として在庫が積み上がり収益を圧迫している事が決算資料でも明らかにされています。
IntelがAMDに対して自己破壊的行為に出ている模様。収益度外視でシェア重視
このような状況からIntelは第12世代CPUのAlder Lakeについて在庫を捌くために最大20%となる大幅な値下げを計画している事がDigitimesより明らかになっています。
IntelではAlder Lakeについては2023年1月から発売当初から10%の値上げを行いました。これによりCore i9-12900Kは$589(7.6万円)から$648(8.4万円)、Core i5-12400は$192(2.5万円)から$211(2.7万円)程度にまで仕入れ価格は値上がりしています。
Intelの第12世代CPU、Alder Lakeが10%値上げ。Raptor Lakeも近日中に値上げ
モデル | 発売時価格(米ドル) | 発売時価格(日本円) | 10%値上げ後(米ドル) | 10%値上げ後(日本円) | 値下げ後(米ドル) | 値下げ後(日本円) |
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Core i9-12900K | 589 | 76570 | 648 | 84240 | 518 | 67340 |
Core i9-12900KF | 564 | 73320 | 620 | 80600 | 496 | 64480 |
Core i9-12900 | 489 | 63570 | 538 | 69940 | 430 | 55900 |
Core i9-12900F | 464 | 60320 | 510 | 66300 | 408 | 53040 |
Core i7-12700K | 409 | 53170 | 450 | 58500 | 360 | 46800 |
Core i7-12700KF | 384 | 49920 | 422 | 54860 | 338 | 43940 |
Core i7-12700 | 339 | 44070 | 373 | 48490 | 298 | 38740 |
Core i7-12700F | 314 | 40820 | 345 | 44850 | 276 | 35880 |
Core i5-12600K | 289 | 37570 | 318 | 41340 | 254 | 33020 |
Core i5-12600KF | 264 | 34320 | 290 | 37700 | 232 | 30160 |
Core i5-12600 | 223 | 28990 | 245 | 31850 | 196 | 25480 |
Core i5-12500 | 202 | 26260 | 222 | 28860 | 178 | 23140 |
Core i5-12400 | 192 | 24960 | 211 | 27430 | 169 | 21970 |
Core i5-12400F | 167 | 21710 | 184 | 23920 | 147 | 19110 |
Core i3-12300 | 143 | 18590 | 157 | 20410 | 126 | 16380 |
Core i3-12100 | 122 | 15860 | 134 | 17420 | 107 | 13910 |
Core i3-12100F | 97 | 12610 | 107 | 13910 | 86 | 11180 |
Alder Lakeが現在設定の価格から20%の値下げが行われることで、Core i9-12900Kは$518(6.7万円)、Core i5-12400は$169(2.2万円)、Core i5-12400Fは$147(1.9万円)と大幅値下げしての販売が近々行われると見られています。
Intel Raptor Lakeは壊滅的な売れ行き。AMD Zen 3、Alder Lakeは販売好調
今回の値下げによって、CPUの売れ筋はAMDのRyzen 5000シリーズからAlder Lakeに向かうと考えられますが、Intelの低い収益率は過剰在庫だけではなく各商品の収益率が低い事も影響しているため、Alder Lakeの値下げと在庫処分によってIntelの収益が改善するとは考えられていません。また、上位のRaptor Lakeがほとんど売れていないという話も出ていますが、Raptor Lakeの売れ行きにも大きな悪影響を及ぼす事が考えられますが、Intelは在庫を一掃する事を最優先に取り組んでいくものと見られています。
一方で、IntelとしてはAlder Lakeの在庫がある程度捌けたあとはAlder Lakeの供給を絞り、より高価で利益が取れるRaptor Lakeに販売を向けたい思惑もあると考えられます。Raptor Lake CPUではCore i5-13600以下のモデルでは中身はAlder Lakeと同じため、もしCore i5以下で購入を検討している場合はAlder Lake CPUを近い内に購入検討をしておいた方が良さそうです。
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