AI対応化がPC価格を15%程度上げる可能性。一方で需要を大きく伸ばす可能性も
ここ最近のPCでは生成AI向けにNPUを搭載することが主流になりつつありますが、今後このAI対応化などが原因でPCの本体価格が15%程度上がる一方で、需要も大きく伸びる可能性があるようです。
市場調査会社のCanalysによると、2024年に出荷されるPCについて約19%が高性能なNPUを搭載するAI対応PCを占めていますが、2025年にはこの割合が37%、2026年には53%と上昇し、2026年にはメインストリーム向けモデル含む、60%以上のPCがAI対応すると予測されています。
AI対応については2024年下半期からMicrosoftのWindows 11 24H2でCopilotやAI ExplorerなどのAI機能が導入される予定で、ハードウェア面でもIntelのArrow LakeおよびLunar Lakeを搭載するCore Ultra 200シリーズや、AMDのRyzen 9050シリーズでAI処理を担うNPUの性能が大きく向上する計画になっています。
ただ、AIへの対応は上述の通りNPUの性能が重要なのですが、このAI対応CPUの単価は高く、PCの販売価格については最大15%程度高騰する可能性があるようです。
実際にNPUを搭載するCore Ultra 100シリーズを搭載するPCはその前世代CPUを搭載するモデルより高値で販売されている傾向があり、間もなく市場投入されるQualcommのSnapdragon X EliteやPlus搭載ノートPCも比較的高い価格帯での販売が予定されています。
AI対応PCは現時点ではあまり役に立つ印象がありませんが、それでも多くのPCがCore UltraやRyzen 8040や9050などを搭載する方向であるため、AI対応PCのシェアが増えていくものと考えられます。ただ、このCore UltraやRyzen 8040/9050などAI対応を謳うCPUの価格は高く、ノートPC本体も15万円を大きく超えるモデルも多いため、本当にこのままシェアが上がるのかは個人的には疑問です。
Now and next for AI-capable PCs, Revolutionizing computing: AI PCs and the market outlook | Canalys
コメント