サーバー・データセンター向けに開発されているCPUやGPUに関しては1ソケット辺りのパフォーマンスが大きく向上している一方で、消費電力も上がってきています。2023年現在はAMDのEPYC Genoaでは最大400WのTDPに到達していますが、2025年までにはCPUは600W台、GPUなどは700Wにも達するとGIGABYTEのサーバーベンダー、GIGA Computingが想定しているようです。
2025年までにサーバー向けCPUは最大600W、GPUは最大700W程度にまで伸びる模様。GPU+CPUを組み合わせたNVIDIA Grace Hopperは最大1000Wにも達する見込み
Gigabyte Server “Power Consumption” Roadmap Points To 600W CPUs & 700W GPUs By 2025 (wccftech.com)
サーバー・データセンター向けに開発されているCPUやGPUでは年々アーキテクチャーの微細化などで性能が大きく向上していますが、より高い性能を求める傾向がある事から電力効率の向上を上回る性能向上を実現する傾向にあります。そのため、1ソケット辺りのパフォーマンスは年々大きく向上していますが、同時に消費電力も大きく上昇、AMDのEPYC GenoaではCPU単体で最大400Wに達していますが、GIGABYTEの子会社でサーバー向け製品を製造するGIGA Computingの内部資料にて2025年にはCPU単体で最大600W、GPUは単体で700Wを超えるような製品が登場する事を見込んでいるようです。
今回のGiga ComputingからリークされたロードマップではAMDやIntel、NVIDIA各社が発売する予定のCPUやGPUの消費電力に関する情報が記載されています。まず、CPU側のロードマップによると、Intelでは現行のSapphire Rapidsでは消費電力は最大350Wに設定されており、2023年後半から登場するEmerald Rapidsでも同等の設定になると見られています。しかし、2024年下半期に投入されるGranite Rapidsでは一気に500Wにまで引き上げられるようです。一方でAMDでは現行のZen 4搭載EPYC Genoaでは既に400Wにも達していますが、2024年中頃より前に発売されるZen5搭載EPYC Turinからは最大600Wの消費電力になってしまう事が計画されているようです。
次にPCIe対応のGPUについてはNVIDIAでは現行のRTX 4090で設定されている450Wが最大となっていますが、2024年から投入されると見られているRTX 4090 Tiから消費電力は最大500Wに上がると見られています。一方AMDではRadeon RX 7900 XTXで設定されている350Wが2024年下半期に投入されるRDNA 4またはCDNA4搭載GPUでは消費電力が400Wにまで上がると見られています。
NVIDIAのSXM対応GPUについてはさらに消費電力が上がっており、Ampere A100では既に消費電力が最大500Wに設定されていましたが、Hopper H100からは最大700Wに上がっています。GIGA Computingでは2024年中頃以降に登場するBlackwellに関する情報は持ち合わせていないのか、ロードマップは空白とされていますが、現在の700Wを更に超える消費電力になる可能性がありそうです。一方でAMDのOAMに関してはInstinct MI250の560Wまで記載されていますが、こちらもNVIDIAと同様に今後のロードマップが不明ですが、傾向としては消費電力は増えるものと見られています。
最後に、CPUとGPUを組み合わせたNVIDIAのスーパーチップですが、こちらは600W~1000Wに設定されるようです。
今回のGIGA Computingの資料はサーバー・データセンター向け製品に焦点を当てたロードマップにはなっていますが、最近の傾向としてほとんどのコンシューマー向けCPUやGPUはサーバー・データセンター向け製品と設計の共通化が図られています。そのため、性能と電力効率が大きく向上はしているものの、絶対値としての消費電力も増える傾向にあるため、コンシューマー向け製品の傾向としても消費電力は今後も上がっていく可能性がありそうです。また、サーバー・データセンター向けにおいては消費電力が上がる事は確実と言えるため、先進国各国では電力の安定供給を行うため更なる発電所などインフラ整備が必要となると言えそうです。
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