2024年Q3のPC出荷台数の内20%はAI対応PCだが消費者は仕方なく購入している?
AI PCとは主にMicrosoftが2024年から投入したCopilotに対応できる高性能NPUを搭載したPCなどに付けられる総称で、多くのOEMや量販店が買い替え需要の喚起のために積極的に「AI PC」を推している状況ですが、2024年第3四半期のPC出荷台数において、このAI PCが全体の20%に達したことが明らかになりました。
市場調査会社のCanalysによると、2024年第三四半期に出荷されたPCの内、NPUなどを搭載する製品は合計1330万台に達しており、前年同期比では50%近い伸びを記録しているとのことです。特に伸びとして顕著なのが、Windowsを搭載するPCで、前年同期比では2倍近くにまで達しています。
Canalysの調査ではAI PCの定義として、NPUなどを搭載しAI機能に対応することとしており、Apple製品はArm系であるMシリーズチップセットを搭載する製品はApple Intelligenceにも対応するためこの条件に合しています。そのため、2023年第四四半期から今期にかけてまで台数の増減がほとんどありませんでした。一方で、Windows PCに関しては2023年末まではCore Ultra 100 (Meteor Lake)など限られたチップセットしかAI PCには対応していませんでしたが、2024年以降はCore Ultra 200V (Lunar Lake)やRyzen AI 300などが投入されたことで、一気に出荷台数が増えたようです。
ただ、これは消費者がAI PCを求めているから増えているという訳ではなく、単純にAI PCに対応する製品がメインストリーム向けとして販売されていることから出荷台数が増えているだけのようです。
CanalysのアナリストがOEMなどに聞き取り調査をしたところ、約31%のOEMは2025年中にCopilot+などより高機能なNPUが必要となるデバイスを販売する計画はないほか、ノートPC全体ではCopilot+対応PCは販売台数の内10%にも満たないなAI PCの高性能化には後ろ向きな意見が出ているとのことです。そのため、AI PCに関してはハードウェアに備え付けられている最低限の機能としては出荷台数を伸ばしているものの、消費者がより高度なAI PCを求めているという訳ではないため今後も普及し続けるのか、高性能なNPUに価値が見出せるのかが焦点となりそうです。
AI-capable PC shipment share rises to 20% in Q3 2024 | Canalys
コメント