2024年第一四半期のスマホ出荷台数でAppleが前年同期比10%減と苦戦。2位に転落し、サムスンが首位を奪う
市場調査会社のIDCが2024年第一四半期の全世界におけるスマートフォン出荷台数の調査結果を明らかにしました。まず、出荷台数の合計は2.9億台ものスマートフォンが当四半期で出荷され、これは前年同期比7.8%増になります。この出荷台数の増加は世界景気の回復傾向を反映したものであり、徐々にではあるもののスマートフォンの需要は回復に向かいつつあるようです。
ただ、各社メーカー毎の出荷台数については大きな変動が発生しており、2024年第四四半期のメーカー別出荷台数を見るとAppleが前年同期比で9.6%と大きく減少し、2位に転落しました。サムスンは前年同期比で減少ではあるものの幅は1.7%と小幅で、結果的にAppleが大きく出荷台数を減らしたことも相まって1位を奪っています。
ただ、この1位と2位以外に注目すべきは中国メーカーの躍進で、Xiaomiについては前年同期比で33.8%増を記録しているほか、Transsionと呼ばれる中国メーカーは84.9%増を記録し、OPPOを抑えて4位に位置しています。
Xiaomiについては中国メーカーではあるもののアメリカではHuaweiほど排除されていないなどの要因に加え、商品面では廉価モデルのRedmiシリーズのバリエーションが多く、スマートフォンの高価格が進む中で価格の安さとパフォーマンスとのバランスの良さが消費者に刺さり出荷台数を大きく伸ばしたものと見られています。
Transsionは新興国を中心に展開しているメーカーでこちらも廉価モデルが中心にラインアップしていることから大きく売り上げを伸ばす結果になっています。
なお、今回大きく売り上げを落としたAppleについてはiPhone 16シリーズで挽回することを目指すと考えられますが、搭載されるAI機能は主にオフラインで処理できるものに限られるなどAndroid系スマートフォンに比べると機能的に劣る可能性があります。また、機能のほかに筐体デザインもiPhone 15を踏襲すると見られている他、価格も大きく跳ね上がっていることから2024年も苦戦が強いられるかもしれません。
Appleが2023年に発売したiPhone 15シリーズでは先代のiPhone 14に対して充電端子をUSB-Cに変更したり、素材にチタニウムを採用したものの、それ以外に大きな変化はなく価格も海外では据え置きとなっているケースが多かったです。そのため、コストパフォーマンスは高くはなっていると言えます。
しかし、iPhoneはコスパ以前にそもそも価格が高価で、インフレが進んだことで一般消費者が端末にかけられる金額が減っているため、結果的にそこそこ安いモデルもそろえているサムスンはシェアを維持し、XiaomiやTranssionなど価格が安いエントリーモデルを豊富にそろえるメーカーは顧客を多く獲得したという結果になっているようです。
恐らくAppleについては2024年はiPhone SE4の投入は行わない可能性も高く、iPhone 16で戦う事になるのですがインフレも収まらない中で新機能などがあまりなければ売り上げ的には厳しいものになることが容易に想像できます。
Worldwide Smartphone Market Up 7.8% in the First Quarter of 2024 as Samsung Moves Back into the Top Position | IDC
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