NVIDIAのAda LovelaceやAMDのRDNA 3など近い内に登場するGPUではTDPが最大500Wを超えるのでは無いかと噂されていますが、CPU単体でも500Wを超える時代が数年以内に来るようです。
EPYCが絶好調なAMD。2023~2024年登場予定のZen 5 EPYCの情報出現
AMD EPYC “Turin” with Zen 5 cores rumored to feature maximum TDP of 600W – VideoCardz.com
AMDではサーバー向けCPUとしてEPYCをラインアップしており、2021年3月にはZen 3世代のアーキテクチャーに刷新したEPYC Milanをリリースしています。
その甲斐あってか、2021年第三四半期決算ではこのEPYCがCloudflareやNexflixなど多くの顧客を獲得した事でEPYCなどデータセンター向け製品を扱うエンタープライズ部門の売上高は前年比で69%増の売上高を記録しています。
AMD Reports Third Quarter 2021 Financial Results :: Advanced Micro Devices, Inc. (AMD)
そんな、EPYCについて2022年にはZen 4アーキテクチャーを搭載したEPYC Genoaを準備している見込みですが、その次の年である2023年から2024年に登場するZen 5アーキテクチャーを搭載したEPYC Turinについて、コア数が256コア、512スレッドとなる一方で、TDPが600Wにも達するという情報が出現しました。
Zen 5世代のEPYCではTDPが600Wに。現行EPYC Milanの2倍以上のTDP
2022年に登場が予定されているEPYC Genoaでは従来までの64コア128スレッドから最大96コア、192スレッドのモデルが登場予定となっています。このコア数の大幅な増加によってTDPも大きく上がる見込みで、最大400WのTDPを発揮すると予定されています。
このTDP 400Wでもかなりのインパクトがある数字でしたが、AMD関連のリークを扱うExecutableFix氏によるとZen 5アーキテクチャーを採用するEPYC TurinではTDPが最大600Wにも達すると指摘しています。
EPYC Turin has a max cTDP of 600W 🔥
— ExecutableFix (@ExecuFix) October 28, 2021
Zen 5アーキテクチャーについては、2023年から2024年に登場すると見られており、現時点で判明している情報としてはAlder Lakeのようなハイブリッドデザインを採用すると見られており、Zen 5とZen 4Dを組み合わせたモデルになると言われています。
Zen 4 Raphaelの次はZen 5 Granite Ridge?Zen 5+Zen 4のハイブリッド
このハイブリッドデザインは主にコンシューマー向け製品であるRyzenにしか採用されず、EPYCではZen 5のみ搭載と言う可能性はありそうですが、どちらにせよEPYC Turinでは現行のEPYC Milanの280WやGeForce RTX 3070 Ti (290W)の2倍以上の消費電力をCPU単体で消費する模様です。
なお、Zen 5ではZen 4 EPYC Genoaから採用されるソケットSP5を引き続き採用するようですが、このソケットSP5自体、1msと瞬間的ですが最大700Wまで対応し、Peak Power with PPCと言う項目では最大600Wまで対応しているようですのでExecutableFix氏が述べたTDPが最大600Wと言うのは適当な数字では無さそうです。(このPeak Power with PPCの意味は良くわかりませんが・・・)
コア数は最大で256コア、512スレッド
ZEN5 EPYC should also have two configurations.
192C 384T
256C 512T— Greymon55 (@greymon55) October 28, 2021
TDPについては600WというExecutableFix氏のリークに追加で、Greymon55氏もこのZen 5 EPYCについて追加で情報を得ているようで、その情報によるとZen 5 EPYCには2つの構成が存在する模様です。
一つが192コア、384スレッドでもう一つが256コア、512スレッドと言う構成です。
EPYC GenoaではCPU上には12基のCCDをレイアウトする事で、96コア192スレッドを実現していますが、ソケットSP5自体、最大で16基のCCDをレイアウトする事が可能となっているようです。このソケットSP5が持てる最大数のCCDである16基を搭載したモデルがEPYC Bergamoと呼ばれるモデルでこちらは128コア、256スレッドとなっていますが、Bergamoの次に登場するZen 5 EPYCでは更にその2倍のコア数を持てるようになる模様です。
これを実現するには、CCD1基あたり16コアを入れるか、3D V-Cacheの技術を応用してCCD1基を搭載するスペースに2基のCCDを重ねたものを搭載など、AMDがどのようにこの256コアと言うのを実現するのかは興味深い所です。
メモリーは更に高速化。DDR5-6400まで対応する見込み
DDR5に対応するEPYC GenoaではDDR5-5200まで対応する事となっていますが、EPYC TurinについてはDDR5-6000、さらにストレッチゴールとしてDDR5-6400まで対応する可能性がある事が過去にGIGABYTEから流出したAMDの資料に記載されています。
NVIDIAがモバイル向けにGA103 GPUを採用するRTX 3080 Tiを準備中?
2022年に発売が予定されているGeForce RTX 4000シリーズ(Ada Lovelace)やAMDのRDNA 3搭載 Radeon RX 7000シリーズではTDPが500Wを超える事が見込まれており、1000W電源ぐらい買わないと耐えられない気がしてきていたのですが、サーバー向けについては更に苦しそうですね。EPYCは基本的にHEDT向けであるThreadripperにも流用されるのが通例となっていましたが、EPYC GenoaでもTDPは最大400Wとなっていましたが、EPYC Turinは600Wという事でもしThreadripperが出るもんならCPU用とGPU用で電源を分けないともう対応が出来ませんね。日本のコンセントは100Vで最大15Aという事で電源ユニットはどんなに頑張っても1200W出力が限度ですので、1個の電源でEPYC Turin世代のThreadripperとハイエンドGPUを動かしたければ200V電源を引っ張るしかないです。
って言うかTDP600WのThreadripperは流石に出ない気はしますが・・・
あと、256コア512スレッドとなるともうこのEPYCはCPUと言うよりGPUに近い存在になりつつありますね。
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