2021年初旬に発表が予定されているIntelの第11世代デスクトップ向けCoreシリーズである『Rocket Lake-S』ですが、CPU本体を写した写真が出現しました。また、公式より性能に関する小さな発表もありました。
Intel第11世代CPU『Rocket Lake-S』の最新情報
『Rocket Lake-S』の試作品が出荷開始。初のCPU写真が出現
Rocket Lake-Sの写真が載せたYuuKi_Ansの投稿へのリンク
2021年初旬に発表が予定されている『Rocket Lake-S』ですが、そのCPUを写した写真が中国の掲示板へ投稿されました。これが初の出現です。
掲載されたのは初期のEngineering Sample品
写真が掲載されたのは『Rocket Lake-S』2つで、流出元の特定を回避するためIHS上面に記載されたシリアル番号などは隠されています。
掲載された2つのCPUは、試作品であるEngineering Sample(通称:ES品)とされています。2つのCPUでIHSの形が微妙に違っていますが、これが製造されたロットの違いだけなのか、Core i7とCore i5など別のラインアップなのかは定かではありません。
wccftechの独自ソースによると、このES品は既にHPやDellなどの大手OEMやマザーボードメーカー向けに出荷が開始されているとの事です。
恐らく、11月から来年年明けにかけて、ES品を基に様々な方面からスペックや簡易的に実施されたベンチマーク情報などのリークがされてくると考えられます。
Intelが『Rocket Lake-S』の一部情報を解禁。IPCはSkylake比で2桁台向上
Intelは『Rocket Lake-S』に関する一部情報を解禁をしました。大きくまとめると以下の通りです。
- Skylakeアーキテクチャーに対して2桁台のIPC向上
- 最大8コア16スレッド
- 新メモリーコントローラーを搭載し、『DDR4-3200』まで対応
- PCIe Gen 4
- 4K60fps12bit対応 HEVC/VP9/SCC/AV1(10bit) QSVエンコーダー
- Xeアーキテクチャーを採用した内蔵グラフィックス
Intelの発表によれば、アーキテクチャは『Cypress Cove』と呼ばれ、第10世代ノートPC向けCPUである『Ice Lake』(10nm)をデスクトップ向け14nmプロセスへバックポートしたものになる模様。これにより、2015年から続いていた『Skylake』アーキテクチャに対してIPCが2桁台で向上するとしています。
その他に、PCIe Gen 4やDDR4-3200対応、動画などをエンコードするQSVが4K60fps HEVC対応などRyzenシリーズに追いつくために全方位的に仕様が強化がされています。
一方で残念ながら、コア数は最大8コア、16スレッドとなる事が公式に発表されました。性能にもよりますが、最大8コアが確定した事によりハイエンドCPUの座はしばらくはAMDのRyzen 9シリーズしか存在しない事となりそうです。
AMDのRyzen 5000シリーズが11月5日に発売されるためか、あまり話題に出てこないIntelの『Rocket Lake-S』ですが、ES品が出荷され始めている事からこれから盛り上がりを見せてくると考えられます。現在のIntel製CPUラインアップはAMDと互角に渡り合えるラインアップが存在しないため、この『Rocket Lake-S』の出来はIntelが今後もHEDT市場で生きていけるかを決める重要なCPUになると考えられます。
Intelとしても『Rocket Lake-S』はアーキテクチャを5年ぶりに刷新する期待のCPUでもあり、自作PCユーザーとしてもライバル不在の状況は面白くありません。そのため、今後この『Rocket Lake-S』がどのような性能を発揮してくるのか、目が離せません。
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