AMD Zen 6 は一部の2DIMMマザーボードで起動しない可能性? 新メモリーコントローラーが影響か
AMDが2026年に発売を計画している次世代CPUアーキテクチャーのZen 6ではデスクトップ向けCPUを中心に構造が大きく変更されると言われています。特に大きく変更されるのが各CPUダイ(CCD)とメモリーやPCIeなどを接続するI/Oダイと呼ばれる部分です。
このI/Oダイは現状はメモリーコントローラー(IMC)を1つ内蔵していますが、Zen 6世代からはIMCが2つ搭載される見込みと言われています。そのため、ソケットAM5対応マザーボードでも2つのDIMMスロットしか備えないマザーボードではパフォーマンスが落ちる可能性が過去には指摘されていました。
そして今回、PCパーツ関連のリークで知られるUniko’s Hardwareが報じた情報により、Zen 6のエンジニアリングサンプル(ES品)が、一部のマザーボードでは起動すらできない状態にあることが明らかになりました。
can confirm the sample of mpg b850i edge ti wifi we got is a2b2 instead of a1b1 as shown in the product page.
— UNIKO's Hardware 🌏 (@unikoshardware) July 21, 2025
rumor has it zen6 es has been delivered and some of them wont post on a1b1's 2dimm boards at least for now. pic.twitter.com/U830NCAZHG
AMDはZen 6世代のデスクトップ向けCPUを既にマザーボードメーカーなどにサンプルを出荷していると言われていますが、UnikosHardwareによるとDIMMスロットを2つしか備えないMini-ITXマザーボードなどで、メモリーの配線レイアウトがDIMM A2/B2*構成の場合は起動すらできない状況に陥っているとのことです。
Zen 6 CPU からDDR5を挿す順番が変更。一部マザーボードは非対応や性能低下の恐れも? – GAZLOG
(*UnikosHardwareが過去にDIMMスロット関係のリークをした際にCPUに近い側をA0/B0、遠い側をA1/B1と記載しているため、原文に記載されているA1/B1はA2/B2を指すと考えられます)
この点について、MSI製のMini-ITXマザーボード「MPG B850i Edge Ti WiFi」の製品ページではメモリスロットの配線が「A1/B1」と記載されていますが、Uniko’s Hardwareが実際に入手したサンプルでは「A2/B2」と印字されていたことも報告されています。これは、MSIが将来のCPUを見据え、水面下でZen 6に対応するための新リビジョンのマザーボードを用意している可能性を示唆しています。
もちろん、今回報告されたのはあくまで開発初期段階であるES品での問題です。Zen 6の正式な発売は2026年と1年以上先であるため、製品版が登場する頃には、こうした互換性の問題は解消されている可能性が高いです。ただ、メモリーコントローラー変更の影響はないとは言えないのも確実であることから既存の2DIMMマザーボードではパフォーマンス低下や安定性が損なわれるなど不安材料がしばらく付きまとうことになりそうですが、これらの不具合が完全に解消されるのかなど今後の動向に注目が集まりそうです。
UNIKO’s Hardware | X
https://twitter.com/unikoshardware/status/1947237765592293588
コメント
コメント一覧 (1件)
BIOSアップデートが必要になることはあっても、パフォーマンスが落ちることはないと思うけどな?
ただ可能性としては、いまはIMC 1個で4枚までのモジュールを制御しているが、IMCが2個乗ることで、2枚挿しと4枚挿しでは4枚挿しの方が性能が出る仕様という可能性はある
だから「パフォーマンスが落ちる」ではなくて、メモリスロットが4本あろうとも「メモリーを4枚挿さないと最高性能が出ない」ので、元々スロットが2本では「パフォーマンスが落ちる(最高性能が出せない)」という話ではないかと推測する
そしてメモリスロットが4本あっても2枚組メモリーを買ってしまった人のために、まさかのダミーモジュール復権という未来が…
真偽はともかく少なくともRank数での速度制限が著しく緩和されるだろうから、4枚挿しでもDRAM速度が落ちにくくなることだけは間違えないと思う