Intel CPUのシェアがPCゲーマーの間で大幅低下。5年前のSteamハードウェア調査に対して16%のシェアを失う

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Intel CPUのシェアがPCゲーマーの間で大幅低下。5年前のSteamハードウェア調査に対して16%のシェアを失う

Steamではソフトウェアがインストールされているハードウェア構成を集計し、その結果を公開する『Steamハードウェア調査』と言う集計情報を公開しています。この調査結果では時代によってスペックの変化が見られており、5年前に対してWindows 11のシェア増加、メモリー容量増加など多くの変化が見られています。一方で、各社のシェアにおいてはGPUではNVIDIAが相変わらずシェアを寡占しているなど変わらない点も見られていますが、CPUにおいては5年前の調査に対してIntel CPUのシェアが16%以上も下落するなど長期的なスパンで見ると大きな変化が起きていることが明らかになりました。

PCGamersNが2020年、2024年、そして2025年6月のSteamハードウェア調査をまとめたところ、CPUのシェアにおいて2020年の時点ではIntelが76.27%、AMDが23.73%とIntelが圧倒している状況でした。しかし、4年が経過した2024年6月時点ではIntelが66.80%、AMDが33.15%とIntelが9.5%ほどシェアを落とし、2025年6月時点ではさらにシェアが落ち、Intelは60.27%と1年で6.5%、5年前に比べて16%もシェアを落としてしまっているなどゲーマーが『Intel離れ』をしていることが明らかになっています。

IntelのCPUはAMDがRyzenを投入して以降、ジワジワとシェアを奪われてはいましたが、その速度は決して急激なものでは無く、2020年から2024年の間は年に2~2.5%程度しか変化がありませんでした。しかし、2024年から2025年のたった1年で6%以上もシェアを落とすなどシェア急減が発生しています。

この主な原因としてはAMDがRyzen 7 7800X3Dなどゲーミング性能に優れる製品を投入したことに加え、2024年春以降はIntelのRaptor Lake系CPUが不適切な設定が原因で物理的に損傷すると言った不具合が発生するなど逆風に吹き荒れていました。また、Intelは2024年10月に新アーキテクチャーや新機構を全面的に採用したArrow Lake-Sを発売しましたが、同時期に登場したAMDのZen 5世代の3D V-CacheモデルであるRyzen 7 9800X3Dにゲーミング性能面で大きく劣るなど少なくともゲーミングにおいては競争力がほとんどない状態になっていました。そのため、特に2024年から2025年にかけてIntelはシェアを大きく落とす結果となってしまったようです。

Intelのシェアに関してはユーザーのほとんどがゲーマーのSteamハードウェア調査以外にも調査会社が行っている集計結果でもここ最近はコンシューマー向けでシェアを落としていることが鮮明になっているなど苦戦している状況です。しかし、Intelは2026年秋以降に新アーキテクチャーを採用し、さらにコア数をデスクトップ向けでは最大52コア、そしてゲーミング向けにbLLC (big Last Level Cache)と呼ばれる3D V-Cacheに似た技術を採用した製品を投入するなど反転攻勢を掛けると噂されておりトレンドの反転に期待が集まります。ただ、早くてもこの製品は2026年に投入となるため、それまでに可能な限りシェア下落に歯止めをかけるために、Intelは評価が芳しくないArrow Lake-Sのリフレッシュモデルの投入も計画していますが、これら製品でどこまでシェア下落を止められるのか、またそのあとに続くNova Lake-Sで再びゲーマーの心を掴むことが出来るのか今後の展開に注目です。

ソース

PC gamers are deserting Intel, as AMD Ryzen chips snatch market share | PCGamesN

https://www.pcgamesn.com/intel/losing-cpu-market-share-amd

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この記事を書いた人

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。
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コメント

コメント一覧 (2件)

  • “Nova Lake-S”ではSocketが変わってしまうから、
    DIY市場では”Arrow Lake-S”のリフレッシュが来ても売り上げ状況は改善しなさそう
    そして市場の大半を占めるOEM市場の中でもゲーミング市場は
    DIY市場の評価にそれなりに引っ張られそうだから”Nova Lake-S”までは改善しない気もします
    そして”Nova Lake-S”の評価が芳しくない場合は、さらにツライ状況が続きそう

  • Intelのシェアが下がったのは仕方ないと思う。
    昨年は新発売のCPUを使っていたら徐々に性能が落ちてきて最後には使えなくなるバグがCPUにあって大騒ぎになったり、それに対処したBIOSでは明らかに性能を抑制していて性能が前世代と同等か低下してしまったり、更に次に投入された新CPUはアーキテクチャの変更に伴う性能向上が期待され、事前のリーク情報でも期待する内容が多かったが、市場に出てきたものはゲーム性能が明らかに低下しておりベンチマークでもAMDのCPUよりも、低い値が出たりとユーザーが離れる原因ともなっていたので、一層のユーザ離れが進んでいてそりゃそうだよなという印象。

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