Intel Core Ultra 9 285Kの性能は先代と同等も電力無制限は300Wに低減。ポテンシャルあり?
Intelは2024年10月10日に次世代デスクトップ向けCPUのArrow Lake-S世代、Core Ultra 200Sシリーズを発表し、先代のRaptor Lakeに対して大幅な電力効率向上が見られるものの、ゲーミング性能はCore i9-14900Kに対して最上位モデルのCore Ultra 9 285Kが少し劣るなど、コンシューマー向けCPUのニーズに合致できるか不安なところも出ていました。しかし、MSIが同社の工場見学ツアーでプレス向けに紹介したプレゼンテーションの中で、Core Ultra 200Sシリーズの性能に関する情報が明らかになり、レンダリングタスクや実際の消費電力の詳細情報が判明しました。
レンダリングタスクの代表例とも言えるCinebench R23での性能はCore Ultra 200Sが非常に高く、シングルコア性能では先代最上位モデルのCore i9-14900KSに対して、最上位のCore Ultra 9 285Kが4%向上し、Core Ultra 7 265Kが同等レベルに達しています。また、Ryzen 9 9950Xに対してはCore Ultra 9 285Kが9.6%、Core Ultra 7 265Kが5.8%上回るなど、過去のモデルと同様にシングルコア性能はAMDの同世代CPUを上回っています。
マルチコア性能ではCore Ultra 9 285KがRyzen 9 9950XやCore i9-14900KSに対して1%上回っていますが、差はほとんどありません。一方、ハイエンドモデルのCore Ultra 7 265KがRyzen 9 9900Xに対して10%、ミドルレンジのCore Ultra 5 245KがRyzen 7 9700Xに対して20%優れるなど、AMDのRyzen 9000シリーズ下位モデルに対しては大幅なアドバンテージを持っています。ただ、先代のRaptor Lakeと比べると2~3%の向上にとどまっており、大きな性能向上は見られていません。
ただし、ベンチマーク自体はすべてIntel Default Profileで計測されており、Core Ultra 9 285KとCore Ultra 7 265Kは最大250Wの消費電力でしか動作できません。そのため、電力無制限へ切り替えることで高い消費電力と引き換えに高い性能が期待できます。Core i9-14900Kでは電力無制限化を行うと最大350W程度の消費電力が要求されていましたが、Core Ultra 9 285Kでは303W程度に収まるようです。一方で、性能はIntel Default Profile時に対して最大10%向上を記録しています。先代のCore i9-14900Kの電力制限解除時はDefault状態より5%向上に留まっているため、Core Ultra 9 285Kは設定次第では先代モデルを大きく超えるパフォーマンスが見られるなど、ポテンシャルを秘めているCPUと言えそうです。
IntelはCore Ultra 9 285K、Core Ultra 7 265K/KF、Core Ultra 5 245K/KFの合計5モデルを2024年10月24日に発売予定で、同日に製品レビューも解禁されるため、先代Raptor Lake RefreshやAMDのRyzen 9000シリーズに対してどれほど優れるのかが明らかになります。
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