Google Pixel 11 (Malibu) 採用のTensor G6はTSMC 2nmを採用。Snapdragon 8 Gen 5に対抗?
Googleは2024年8月にPixel 9シリーズを発売し、新しいチップセットであるTensor G4を搭載しています。しかし、パフォーマンス面では従来のTensorシリーズと同じく、同時期に登場するSnapdragon 8シリーズやDimensity 9000シリーズに対して大きく劣る性能を記録しており、カメラやデザインなどが評価される一方で、パフォーマンスは再びあまり評価されない出来になっています。
そのため、Googleでは2025年に発売を予定しているPixel 10に搭載されるTensor G5から、従来のサムスンExynosシリーズをベースにカスタマイズしたAIコアを搭載し、サムスンファウンドリーで作られるチップセットから、チップセット全体をGoogleが独自で開発する体制へ変更します。さらに、ファウンドリーもTSMCに切り替えられることが確定的な状況になっています。
この変更によりGoogleでは競合スマートフォンに対して弱点だったパフォーマンスを克服することが予想されていますが、GoogleではTensor G5以降も競合のSnapdragon 8やDimensity 9000シリーズに対してパフォーマンス面で引けを取らないよう、2026年に発売されると見られているPixel 11 (コードネームMalibu) に搭載されるTensor G6についてはTSMC 2nmを採用する計画があることがリークされています。
TSMC 2nmを採用する製品は現時点では2025年にApple A19 ProやApple M5、Qualcomm Snapdragon 8 Gen 5などが挙げられますが、これらのチップセットは2025年の秋以降に登場し、実際に搭載するスマートフォンは2026年以降に多くの搭載モデルが登場すると考えられています。
一方でGoogleのTensor G6を搭載するPixel 11は2026年夏ごろに登場すると考えられるため、競合より9か月ほどの遅れが見られます。また、Tensor G6の具体的な仕様などは不明ですが、製造プロセスだけで見ると競合のチップセットに対して製造プロセスが近くなるため、現行Pixelのように性能が大きく劣る可能性は低くなっています。そのため、今後登場するGoogle Pixelシリーズに関しては弱点だったパフォーマンスも克服すると見られるため、今後の動向に期待が集まります。
GoogleではTensor G5から完全独自のチップセットにすることで、Pixelシリーズが強みとするAI機能を強化しつつ、競合より劣っていたチップセットの性能を底上げすることを狙っているようです。さらに、Tensor G6ではTSMC 2nmを採用することでSnapdragon 8やDimensity 9000シリーズなどのハイエンドモデルに対して劣らない性能を維持することを目指しているように見られます。
ただし、懸念点としては廉価モデルのPixel aシリーズでは上位モデルと同じチップセットを搭載するため、今後TSMC 3nmや2nmなどより高価な製造プロセスが用いられる場合、廉価版モデルのコストを上げてしまう要因になり、販売価格の高騰にもつながると考えられます。そのため、今後Pixel aシリーズが値上がりしていくのか、それともチップセットを例えば1世代遅れた製品を搭載するのかなど、戦略に変化が現れるのかも気になるところです。
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