NVIDIAがGeForce RTXにAI性能をアピールするタグラインを追加。IntelやAMDのAIアピールに対抗?
NVIDIAのGeForce RTXシリーズは主にゲーミング向けであり、AI学習などには一般的により高価でエンタープライズ向けのRTXシリーズが用いられてきました。しかし、NVIDIAではAIへの関心が消費者の間で高まっていることに加え、競合するIntelやAMDが製品にAI対応を大々的に謳う事例が増えているため、プロモーション活動でAI処理対応を強調する目的で、GeForce RTXシリーズに「Powering Advanced AI」というタグラインを追加することが明らかになりました。
NVIDIAのGeForceシリーズは、ゲーミングにおいて高度なグラフィックス描写を実現するハードウェアとして一定のイメージが定着しており、多くのゲーミングPCにはNVIDIA製のグラフィックスカードが搭載されているため、高い認知度とシェアを誇っています。しかし、最近ではゲーミング以外の用途でもグラフィックスカードが使われ始めており、より多くの消費者にアピールするために、話題のAI処理に対応していることを明示する目的で、「Powering Advanced AI」(高度なAI対応)というタグラインをGeForce RTXロゴの下に追加しています。
実際、NVIDIAのGeForce RTXシリーズはAI性能において非常に強力で、最も廉価なノートPC向けのGeForce RTX 4050でさえも、194 TOPsの処理性能を持っています。これは、AMDが発売しているRyzen AI 9 HX 370や、IntelのLunar Lake世代Core Ultra 200Vの約50 TOPsに対して、約4倍の性能を誇ります。
また、このAI処理性能を活かし、ゲームでは画質劣化を抑えたアップスケーリング技術であるDLSSや、フレームを生成してフレームレートを向上させるDLSS Frame Gen、さらにNPCに生成AIを活用したセリフを付けるACEなど、さまざまなAI技術が用いられています。これらをアピールすることで、AMDやIntelのAI製品に対抗し、同時にAMDのRadeon RXグラフィックスに対する優位性を示す狙いもあると考えられます。
なお、このNVIDIAの新しいタグラインは、すでにNVIDIA製グラフィックスカードを搭載するOEM製ノートPCやデスクトップPC、およびGeForce RTXグラフィックスカードのパッケージにも採用されています。実際に日本のNVIDIA公式X(旧Twitter)を見ると、「Powering Advanced AI」のタグラインが追加されたヘッダー画像に差し替えられています。
NVIDIAの最近の決算を見ると、AIデータセンター向け製品がほとんどの収益を稼いでいることがわかります。しかし、一般消費者には「AI = NVIDIA」というイメージがまだ十分に浸透していないため、新たに「Powering Advanced AI」というタグラインを追加することで、AI対応製品というイメージの定着を狙っていると言えます。ただし、GeForce RTXを搭載するPCは一般消費者から見ると高価なハイエンド製品であり、この新しいタグラインの追加がどこまで認知度を向上させるかは不明です。また、現状のGeForce RTXシリーズの高度なAI機能は主にゲーム向けであり、MicrosoftのCopilot+への対応もまだ行われていないため、現時点ではこのタグライン追加の効果は限定的かもしれません。
NVIDIA Updates its GeForce RTX Case Badge to Mention AI Acceleration Chops | TechPowerUP
コメント
コメント一覧 (1件)
ところでNVIDIAはそのAIバブルがはじけて時価総額40兆円相当吹き飛んだそうで
ついでに独禁法違反の嫌疑で米司法局が大規模な捜査に着手したそうで著名メディアでニュースになってますね