P-Coreを2コア搭載するRaptor Lake、Intel 310のベンチマーク結果が登場。性能はPentium Gold G7400と変わらず
IntelではCore i3よりさらに下位モデルで今まであったPentiumの後継モデルとして2コア4スレッドのIntel 300を投入していましたが、IntelではこのIntel 300の上位モデルとしてIntel 310を新たに追加する予定で、このGeekbench 6ベンチマーク結果が登録されている事が明らかになりました。
このIntel 310はRaptor LakeのP-Coreで採用されているRaptor Coveアーキテクチャーを2コアのみ搭載する事で2コア4スレッド構成を実現しています。L2キャッシュは各コア1.25MBと言う事でRaptor Lake-Sがベースになっています。また、L3キャッシュは6MBでCPU全体で8.5MBのキャッシュ容量を持っています。
動作クロックは4.1 GHz固定となっており、これは先行して登場しているIntel 300の3.9 GHzより200 MHzほど高い動作クロックに設定されておりこれが唯一の違いになっています。
そんなIntel 310ではシングルコアが2152ポイント、マルチコアが4254ポイントを記録しています。
CPU | シングルコア | マルチコア |
---|---|---|
Core i3-14100 | 2266 | 7437 |
Core i3-13100 | 2253 | 7368 |
Core i3-12100 | 2151 | 6864 |
Intel 310 | 2152 | 4254 |
Pentium Gold G7400 | 1999 | 4245 |
Core i3-10100 | 1426 | 4224 |
Intel N200 | 1291 | 3132 |
先に登場しているIntel 300についてはあまりにも売れていないのかGeekbench 6のデータベースには1件しか登録されておらず、スコアが異常に低い上、コア数が0と認識されるなど正確なデータでは無いと言えます。そのため、Intel 300に対してどれだけ性能向上が見られるのかは不明です。
ただ、他のCPUと比べるとAlder Lake系で採用されているGolden Cove CPUを2コア内蔵し、3.7 GHzで動作するPentium Gold G7400に対してはシングルコアでは8%上回っていますが、マルチコアではほとんど同じスコアを記録しています。特に動作クロックはIntel 310では4.2 GHzに設定されているはずなのですが、TDPの関係からここまで高い動作クロックでマルチコアは動かせないのかもしれません。
2020年に登場したComet Lake世代のCore i3-10100に対してはシングルコアは同等でマルチコアでは4コア構成ですが、Intel 310は2コアで6割を超えるスコアを記録するなどなかなか高い性能を発揮しています。
このIntel 310は現在販売されているIntel 300の上位モデルとして販売される予定で、日本では1.5~1.6万円ぐらいで販売される事が予測されています。
Intel 300はCeleronやPentiumの後継モデルとして投入されたCPUなのですが、2コア4スレッドと言うあまりにも貧弱な構成からGeekbench 6に登録されていない点を見る限りコンシューマー用途ではほとんど売れていないようです。これはIntel 310になっても同じ状況と言えるのですが、わざわざ動作クロックを上げた追加モデルを入れると言う事はエンタープライズ向けのBTOなどでそこそこ需要があるのかもしれません。
個人的には、Intel 300よりArrow LakeやLunar Lakeに内蔵されているE-CoreのSkymontを使ったIntel Nシリーズを出してほしいのですが、この辺りはまだまだ登場しなさそうですね。。。
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