Intel Arrow Lake-Sのベースクロックが判明。3.6 GHzと従来モデルよりかなり高めの設定に
Intelは次世代デスクトップ向けCPUとしてArrow Lake-Sを2024年秋以降に投入を予定していますが、今回このArrow Lake-Sのベースクロックに関する情報がLinux向け開発ログの中に記載されている事が発見されました。
このようなログやパッチ情報を追っているInstaLatX64氏によると、ログの中からIntelのテストプラットフォームに関する情報が記載されている事が発見され、デスクトップ向けArrow Lake-Sは24コア、ハイエンドノートPC向けのArrow Lake-HXも24コア、そしてノートPC向けのArrow Lake-Hが16コア構成であることが記載されていますが、これに加えて新たな情報としてベースの動作クロックが初めて登場しています。
ベースクロックはArrow Lake-Sが3.6 GHzに設定され、Arrow Lake-HXが3.0 GHz、Arrow Lake-Hが3.5 GHzに設定されています。
デスクトップ向けCPUのベースクロックについては現行のRaptor Lake Refreshの中で最上位モデルとなるCore i9-14900Kでは3.20 GHzに設定されていることから、Arrow Lake-Sで設定される3.6 GHzは小さくない向上を記録しています。
ノートPC向けではArrow Lake-HXが現行のCore i9-14900HXの2.2 GHzから800 MHz向上した3.0 GHzとこちらも大きめの設定に引き上げられている他、Arrow Lake-Hの3.5 GHzに関しては、現行のCore Ultra 9 185Hの2.3 GHzから1.2 GHzも向上しています。
ベースクロックの引き上げに関しては、Arrow LakeではLion CoveとSkymontアーキテクチャーに刷新されるほか、製造プロセスもIntel 3またはTSMC 3nmを活用して製造されます。そのため、ベースクロックを高くしても消費電力があまり増えないなど優れた電力効率を背景に、Raptor Lake RefreshやMeteor Lakeを大きく超えるようなベースクロックが設定されている可能性がありそうです。
IntelのArrow Lakeでは最大動作クロックが5.5~5.7 GHzぐらいに設定されるという噂はありましたが、ベースクロックに関する情報が登場するのは初めてと言えます。TDPはArrow Lake-Sも最上位モデルは125Wに設定されると見られていますが、電力効率が向上することによりベースクロックを現行のRaptor Lake Refreshに対して400 MHz引き上げてもTDPの中に納まるなどかなり低い消費電力での動作に期待できそうです。ここまで低い動作クロックであれば発熱も低いため、ブーストクロックをさらに引き上げる事もできそうですが、ここは自制するのか冒険するのかも少し注目です。
InstLatX64 | X (Twitter)
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