NVIDIA GeForce RTX 5000シリーズで投入されるGPUの一部仕様が判明。最上位のGB202 GPUはCUDAコアを2万以上搭載もミドルレンジはスペックダウンへ
NVIDIAは2024年にBlackwellアーキテクチャーを搭載したGeForce RTX 5000シリーズのハイエンドモデルを投入し、2025年からミドルレンジまでラインアップの拡充を図ると見られていますが、今回このRTX 5000シリーズに搭載される各GPUのGraphics Processing Processors (GPC)やバス幅についてリーク情報が登場しました。
GB202 12*8 512-bit GDDR7
— kopite7kimi (@kopite7kimi) June 11, 2024
GB203 7*6 256-bit GDDR7
GB205 5*5 192-bit GDDR7
GB206 3*6 128-bit GDDR7
GB207 2*5 128-bit GDDR6
リーカーのkopite7kimi氏からBlackwell GPUとして投入される最上位モデルのGB202からGB207 GPUまで各GPUのGPCとバス幅、そしてメモリーの仕様が明らかにされています。
GB202 GPU (GeForce RTX 5090)
最上位モデルでGeForce RTX 5090へ搭載が想定されるGB202 GPUでは12基のGPCを備え、その中には8基のTexture Processing Cluster (TPC)が備わるようです。このTPCの中に何基のStreaming Multiprocessor (SM)を備えているのかは不明ですが、仮にAda Lovelaceアーキテクチャーと同じく各TPC内に2基のSM、さらにその中にCUDAコアが128基含まれているとすると、GB202 GPUでは合計192基のSMを備え、CUDAコアは最大24,576コア搭載する可能性があります。これは先代のAD102 GPUに対してCUDAコアが33%増える計算になります。
なお、このGB202 GPUではGDDR7に対応し、バス幅は512-bitまで備えているようですが、実際にGeForce RTX 5090に搭載する際には歩留まり向上のために448-bitに制約されるとも噂されているため、RTX 4090と同じくGPCを2基無効化するとした場合、CUDAコアは20,480コアほど有効化されると考えられます。
GB203 GPU (GeForce RTX 5080など)
ハイエンドモデルのGeForce RTX 5080やRTX 5070 Tiなどに搭載が想定されるのがGB203 GPUで、このGPUでは7基のGPCを備え、各GPCには6基のTPCが備わるなどGPCの構成はAda Lovelaceアーキテクチャーと同じになるようです。そのため、このモデルでは同じくSMやCUDAコアの構成がAda Lovelaceと同じだとすると、合計84基のSMを備え、CUDAコアは合計10,752で先代のAD103 GPUに対してCUDAコアが5%増えます。
バス幅は256-bitと言う事で、現行のRTX 5080から変わりませんがメモリーにはGDDR7が搭載されるため、帯域幅は896.0 GB/sとGDDR6Xの世代で言うところの320-bit相当あります。
GB205 GPU (GeForce RTX 5070など)
アッパーミドルレンジ向けモデルであるGeForce RTX 5070向けに搭載が想定されるのがGB205 GPUで、このGPUには5基のGPCと各GPC内には5基のTPCが備わります。こちらはAda LovelaceとGPC内の構成が少し異なっており、TPCの数が1基減っています。そのため、SMは50基備え、CUDAコア数は6400コアになると考えられます。
このGB205 GPUはAD104の後継と言えるGPUなのですが、AD104 GPUに比べるとCUDAコアは16.6%減ります。そのため、搭載モデルとしてはRTX 5070に加え、RTX 5060 Tiなどにも搭載される可能性があります。
このGB205 GPUはメモリーバス幅が192-bitで設定されるため、こちらも現行のAD104 GPUと大差ない状態です。ただし、GDDR7に対応しているため帯域幅は672.0 GB/sとなっています。
GB206 GPU (GeForce RTX 5060向け)
GB206 GPUはミドルレンジモデルとしてラインアップされるGeForce RTX 5060向けのGPUになると考えられますが、スペックとしては3基のGPCと、GPC内には6基のTPCを備えます。こちらはAda Lovelaceに対して同じGPC内の構成になっていますが、先代のAD106 GPUに対しても同じGPCの数でもあります。
そのため、CUDAコアの数は4608コアとAD106 GPUと全く同じで、バス幅も128-bitのままと違いがほとんど内GPUになっています。
ただ、メモリー関係はGDDR7対応になっているため、現行のRTX 4060で見られていた272 GB/sという狭い帯域幅から、28GbpsのGDDR7を備えれば448 GB/sと帯域幅の大幅向上が期待できます。
GB207 GPU (GeForce RTX 5050向け?)
GB207 GPUはGeForce RTX 5000シリーズにエントリー向けモデルが投入される場合はGeForce RTX 5050に搭載されると見られていますが、投入されない場合はワークステーション向けのRTX 2000シリーズやノートPC向けに搭載されます。
このGB207 GPUではGPCが2基で、その中に含まれるTPCは5基と言う構成になっています。そのため、AD107 GPUに対してSMは24基から20基に減るためCUDAコアは3072コアから2560コアと16.6%減少することになっています。
また、GB207 GPUではバス幅が128-bitに加え、メモリーもGDDR6対応となるためこのGPUに関しては現行のAD107 GPUに対して性能がほとんど変わらないか、若干劣る可能性があります。
GeForce RTX 5000シリーズではGB202 GPUやGB203 GPUなどハイエンドGPUはエンタープライズ向けへの展開も想定して、大幅な性能向上が期待できそうです。特にRTX 5090ではコストや歩留まりを考慮しても2万コア以上のCUDAコア搭載も期待できるため、GDDR7化と相まってRTX 4090から大幅な性能向上が期待できます。
一方で、RTX 5070以下のモデルに搭載されると考えられるGB205 GPU以下のミドルレンジ向けモデルはGPCやCUDAコア数は減る方向で計画されているなどあまり大きなスペックアップは期待できない状況になっています。そのため、これらのモデルでの性能向上はアーキテクチャーの最新化とGDDR7化による帯域幅向上が主となりそうで、RTX 4090からRTX 5090に比べると性能向上率は限定的になる可能性があります。
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補足情報
NVIDIA GeForce RTX 5000シリーズは2024年秋以降に発売が計画されているグラフィックカードで、GPUアーキテクチャーは新世代のBlackwell GPUが搭載される予定です。上位モデルのメモリーにはGDDR7が採用され、PCIe Gen 5.0に対応すると言われています。
製品ジャンル | メーカー | 製品名 | 発売予定時期 |
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GPU | NVIDIA | GeForce RTX 5000シリーズ | 2024年秋以降 |
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