Snapdragon 8 Gen 4の供給価格はGen 3からさらに高騰。ハイエンドスマホの値上げは必須に?
Qualcommでは現行のSnapdragon 8 Gen 3の後継モデルとしてSnapdragon 8 Gen 4の投入を2024年秋ごろをめどに計画しています。このSnapdragon 8 Gen 4ではQualcommが開発したカスタムコアのOryonが搭載されるなど完全独自設計のチップセットになり性能も大きく向上すると言われています。ただ、このSnapdragon 8 Gen 4についてリークによると高い性能とは引き換えにTSMC 3nmなどコストが上がる要素も多く、既に高価だったSnapdragon 8 Gen 3をさらに上回る供給価格になる可能性があるようです。
Weiboで活動するリーカーの数码闲聊站氏によるとSnapdragon 8 Gen 4では3nmプロセスを採用したことでウェハーあたりの価格が大きく跳ね上がっているとのことです。これにより供給価格が上がるのが必須で、約500ドル前後で販売されるスマートフォンについては搭載チップセットについて再考する必要があると述べています。
現行のSnapdragon 8 Gen 3ではチップセットの供給価格は$200程度と言われていますが、その前のGen 2は$170程度でした。そのため、今回のSnapdragon 8 Gen 4では$230程度は最低でもかかり、開発費などを入れると$250程度にも上る可能性があります。そのため、ミドルレンジ向けで値上げを回避したい場合はこのチップセットの採用を見送ることも必要になり、ハイエンドモデルなどでは出荷台数を維持するためには利益率を下げる必要があり、その逆であれば値上げが必須になると見られています。
Snapdragon 8 Gen 4では独自開発のOryonコアに加え、TSMC N3Eプロセスを用いて製造されるためコストが高くなるのは当然と言えば当然なのですが、ただでさえ高いハイエンドスマートフォンの価格がこれ以上上がるとなると売れ行きには大きな悪影響が出る可能性が高いと言えます。また、値上げを回避するために一部モデルではハイエンドモデルでもSnapdragon 8 Gen 4は搭載せず、Snapdragon 8 Gen 3に据え置きとしたり、Snapdragon 7 Gen 4など1ティア下げたチップセットなどを採用する可能性があります。
どちらにせよ、Snapdragon 8 Gen 4については性能面で期待は高まっていますが、コストが大きく上がるとなればそもそもこのチップセットを採用するモデルは限られる可能性がありそうです。また、MediaTekのDimensity 9400の供給価格次第ではそちらに乗り換えるメーカーなども現れるかもしれません。
補足情報
Snapdragon 8 Gen 4はQualcommが開発中のハイエンドスマートフォン向けSoCで、現行のSnapdragon 8 Gen 3の後継モデルになります。
同SoCではQualcommが独自開発したコアを搭載し、既にリークとして出ているGeekbenchベンチマークではApple A18 Proのマルチコアスコアを大きく超える10000ポイント程度になる見込みで非常に高性能なSoCになります。
製品ジャンル | メーカー | 製品名 | 発売予定時期 |
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スマートフォン向けSoC | Qualcomm | Snapdragon 8 Gen 4 | 2024年10月以降 |
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