M4搭載iPad ProがGeekbenchシングルコアで4000ポイント超えを記録。液体窒素での冷却で実現
Appleが発売した新型iPad Proに搭載されているM4プロセッサはTSMC N3Eで製造され、アーキテクチャーをARMv9対応に刷新したことで特にGeekbench 6などのスコアは大きく向上していると言われていますが、このM4プロセッサを搭載するiPad Proを液体窒素で冷却し、Geekbench 6のベンチマークを計測した結果が登場しました。
今回テストに使われたiPad Proは3P+6Eで構成される下位モデルのM4を搭載したiPadが用いられており、この3P+6EのM4プロセッサはGeekbench 6でシングルコアは3,650ポイント、マルチコアで13,350ポイントが記録されています。
このM4プロセッサを搭載するiPad Proの裏面に液体窒素で満たした『Kingpin Cooling T-Rex Rev 4 CPU LN2 pot』を乗せてGeekbench 6ベンチマークを動作させたところシングルコアは4,001ポイント、マルチコアは13,595ポイントを記録しています。
プロセッサ | シングルコアスコア | マルチコアスコア |
---|---|---|
M4 (iPad Pro 3P+6E) with LN2 | 4,001 | 13,595 |
M4 (iPad Pro 3P+6E) | 3,650 | 13,350 |
M3 Max(16インチMacBook Pro、12+4) | 3,128 | 20,957 |
M2 Ultra(Mac Studio、16+8) | 2,774 | 21,330 |
この一連のテストではM4プロセッサ搭載iPad Proは冷却なしの場合と同じく最大4.4 GHzで動作していますがシングルコアの伸びは大きく、冷却なしに対して約10%の性能向上を記録しています。一方で、マルチコアは約2%向上に留まる結果になっています。これはM4プロセッサではシングルコア時はCPU温度が引く場合は4.4 GHzで動作し続ける一方で、複数コアに負荷がかかる際には動作クロックが抑制されているのではないかと言われています。
この液体窒素で冷却したiPad Proの記録はシングルコアはM3 Maxを約28%、M2 Ultraを約44%上回るなど圧倒的な性能を記録しています。ただ、マルチコアは動作クロックに制限がかけられている可能性が高く、M3 Maxには歯が立たない結果になっています。
今回液体窒素での冷却を試みたGeekerwan氏は3P+6EのiPad Proに加え、上位のM4プロセッサを搭載するiPad Proも購入済みで今後同じ様に液体窒素で冷却しどれだけのパフォーマンスが出るのか検証するとのことです。
M4プロセッサはARMv9アーキテクチャーに切り替えた事でGeekbench6では高めにスコアが出るようにはなっていますが、液体窒素で冷やしているとは言え、薄さ5mmのタブレット端末でシングルコア4000ポイントを超えられるのは驚異的と言えます。ただ、マルチコアは安全かハードウェア不具合防止の為7日Appleが意図的に性能を制限しているような動作であるため性能が伸び悩んでいますが、この点はM4を搭載したMacBook Proなどを用いればM4プロセッサが持つポテンシャルを知れそうですので、今後どのようなスコアが記録されるのか期待です。
在下_浮動兄弟 | Bilibili
コメント